歌子は、「日本の私学建学者10人」に名を連ねるべき偉人。私の見解ですが、多くの教育者・研究者諸氏に賛同していただけるはずです。この地に育つ諸君は羨ましい。日本の女子教育を牽引した希代のスーパーレディの魂が宿る私学だからです。
日本の教育史・文化史に輝きを放つ屈指の正統名門。一昨年(2019年)、120周年を記念しました。重厚な文化が息づきます。誤解のないよう。「伝統」とは、形として目に映る旧いしきたりとは違う。根に宿る思想です。礎を支える信念です。
数々の歌子の言葉を受け取りましょう。それが実践の思想と信念だからです。発信は19世紀から20世紀初頭期。文語体で記されていながら、まるで、近年に唱えられたかのよう。今、解釈の修正は不要。そのまま、教育改革期の理念に等しい。教授手法や学習ツールが異なっても、使命は同じ。時代に普遍のメッセージを蓄える私学は、時代に不変です。世の変容に慌てて、次々と外壁を塗り替える学校とは一線を画します。
英語指導に長けています。でも、英会話スクールではない。理科教育に力を注ぎます。でも、サイエンススクールではない。大学受験や就職に備えるだけの訓練所は不本意。本意は「全人教育」です。そのために、高邁な「思想」と、強固な「信念」を守り継ぎます。