芝生フィールドを 見晴らそう(男子校)芝中学校

2020/10/21
芝生フィールドを
見晴らそう

広大な広場に多種多様な種を蒔き、少年たちを解き放ちます。彼らは、やがて、自分に相応しい種を拾い集めます。やがて芽吹いて伸びはじめます。教諭陣は、花が咲いて、実を結ぶのを見届けます。その手法は典型的な男子校スタイル。モデル校と評するべきでしょう。でも、「お好きなように」とは違います。

要所を芝に学んでおきましょう。

最寄りの駅は神谷町と御成門。いずれからも坂道を歩み登る丘の上。都心なのに空が広くて、陽は明るい。街路は制服姿が似合います。隣りあうのは芝公園。学園の礎、増
上寺の森です。教室から東京タワーまでの直線距離は100m1ほど。国際都市の息吹に覆われながら、生徒諸君は気取らず純朴系。日本のトップ進学校ながら、先生は偉ぶらずに子どもたちにまみれる熱血派。

男子校らしい、名門校らしい、他校では味わえないスペシャルな空気は、データだけでは伝えることができません。

播種だけで収穫を待つのは指導者の怠慢では?
その批判は短絡的です。

芝エッセンスは共通

結実の姿形(≒知識、技能…)は異なっていても、種子に含まれる必須栄養素は同じ。倫理、哲学、思想、意志、希望・・・です。ここは、化学式や英単語を暗記するだけの訓練所ではありません。ランダムな偶発性に頼るように見えて、110年超、醸成しつづけたエキスを注ぎ込んでいます。

信頼に基づく共感

人は見ず知らずのオジサンの声には応えません。「親しいT先生が張り切っているから付き合ってやるかな」が男子のモチベーション。育てる樹は、実はただ放任しているだけではありません。賑やかな双方向コミュニケーションを織りなしながら、目立たぬようにアシストします。

子どもたちの視界を遠くに広げます。大学で何を究めるのか? 10年後はどこで何を為すのか? 度々問いかけて深い思案を求めます。やがて「合格」は単なる通過点だと心得て、信念と持久力を蓄えます。

グローバル? サイエンス? 東大へ? 海外大学へ? そのような型は窮屈。道を強いません。前途が不透明な時代だからこそ、大人の想像力を超える彼方を拓いてほしい。大らかで、かつ、タフな進路指導。生徒の夢は芝生フィールドを駆け巡り自由に未来を創造します。

日々の学習は勤勉に努める積み上げ型。指導は手厚い。放置しません。「広場型」は人間教育の手法です!

男子校最大の教育コンテンツは「校風」。
編集部のインプレッションをお伝えします。

知的なチーム、男子フレンドシップ理想型

近年の歴史上、巨大なカリスマリーダー生徒の存在や、学業成績や運動能力が定めるヒエラルキーは希薄。親分子分型の塊は見かけません。学園の礎は「共生」の精神。生徒諸君は弁えています。個々の「キャラ」を貴ぶから、個々の「ポジション」は同格です。

腕力より知力を担う参謀タイプが主流。職責と命令系統を固定する独裁型組織を好まず、臨機応変に自己の特技を活かすスペシャリスト型チームを結成。ボクは計算、キミは工作、キミは交渉…。阿吽の呼吸でプランとアクション。照れて口には出さないけれども相互にリスペクト。さりげなく互いを支えあうシーンはクールです。

ハードなサバイバルムードを覚えません。「ホントに『国公立大学***名合格』なの?」と疑うほどホノボノ。一年中、「イベント」ばかり? 汗臭い根性論や湿った嫉妬心は不似合い。同じ大学の同じ学部を受験する2名が励ましあう。ライバルだけどバディ。一人勝ちは寂しい。コラボレートした方が壮快。シェアした方が愉快。ここは、女子が羨み憧れる(?)男子フレンドシップの集合体です。

保護者の皆さま、きっと、「わが息子」が喜ぶ校風です。

〔編集部注〕
ながらく芝を担当し、校長先生をはじめ数々の先生方、生徒諸君と対談した記者が記しています。上記は、個人的見解ですが、学園の先生の了解を得て掲載しています。
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