三輪田学園から 世界に飛び立つ!(女子校)三輪田学園中学校

2019/11/20
三輪田学園から世界に飛び立つ!
~誠実で、だれとでも「つながる」ことができ、自らの人生を切り拓いて生きる「徳才兼備」の女性を育てる~
この創立時から掲げるディプロマ・ポリシーのもと三輪田学園はさらなる未来を見据え、世界に飛び立つ新たな一歩を踏み出しています。ここでは、今年スタートしたマルタ共和国海外研修に参加した二人の生徒と引率された吉田珠美校長先生にお話をうかがいました。
校内から海外へ。段階的にステップアップし、確かな英語力を磨く
校長先生 マルタ共和国は地中海にある小さな島国で、かつてイギリスの植民地だったことから英語が公用語の一つになっています。本校はこれまでもカナダ語学研修やオーストラリアターム留学などを実施してきましたが、今年初の試みとして夏休みに10日間のマルタ海外研修を行い、希望制で16名の中高生が参加しました。現地では英語学校とアートスクールに通い、中世にタイムスリップしたかのようなマルタの文化遺産を見学して、ただの語学研修とは一味ちがう経験ができたと思います。まず、実際に参加したお二人の感想を聞かせてください。
Mさん 私は去年、カナダ語学研修に参加しましたが、ヨーロッパに行くのは初めてだったので、ヨーロッパの文化がとても新鮮でした。
Tさん 私もカナダ語学研修に続いて、人生で2度目の海外でした。カナダではホームステイでしたが、今回はホテルステイ。英語学校ではインターナショナルクラスに入ったのですが、フランスやイタリアの学生と一緒で、最初はすごく圧倒されました。
校長先生 クラス分けのプレースメントテストでいい結果を出したことから、二人ともかなりレベルの高いクラスに入ったのですよね。
Mさん 初日の授業では、いきなりディスカッションで意見を求められたのですが、話す内容を考えているうちにどんどん先に進んでしまって、まったくついていけませんでした。
Tさん ほかの国から来ている人たちはすごく積極的で、思いっきり自分の意見を主張するんです。でも私たちはまず英文法が頭に浮かんでしまい、なかなか話し出せなくて…。このまま続けるのは無理だと思い、同じクラスになった三輪田生5人で話し合って、もう少し易しいレベルのクラスに移してもらうように、学校側に交渉しました。
校長先生 自分たちで英語学校の先生に交渉に行って、希望を通したのはすばらしいと思います。次のクラスではいかがでしたか?
Tさん 初日にくらべてずいぶん余裕を持って授業を受けられるようになりました。そこではじめて、実はほかの国の人も英語だけで話しているのではなく、自国の言葉で話していることも多かったんだと気付きました(笑)。それにみんな必ずしも正しくてきれいな英語を話しているわけではなくて、ヨーロッパなまりもあるんだなと思いました。
Mさん 文法を気にすることなく、とにかく話し出すことが大切だと実感しました。カナダのホームステイではホストファミリーがこちらの言うことを聴き取ろう、理解しようとしてくれたけれど、マルタの英語学校ではそういう気遣いはなかったので、その中でどうしたらコミュニケーションがとれるかを考えながら学んだと思います。
校長先生 容赦なく、シャワーのように英語を浴びて、実体験で学んだということですね。それこそが今回の研修の目的だと考えているので、とてもうれしいです。三輪田には体系的に英語を学べるストーリーがあり、まずは基礎力の土台をしっかりつくるとともに、ネイテイブの先生の授業、オンライン英会話、イングリッシュキャンプなどを経て、カナダに行き、カナダの学生の助けを借りながらクローズドのクラスで学びます。マルタ研修はその延長線上にある次のステップです。お互い英語を勉強している同年代の仲間と切磋琢磨したことは、今後、大学に進学したり社会に出たときに必ず活きてくると思います。
語学だけでなく幅広い体験を積むことが将来につながる
校長先生 アートスクールやアクティビティは楽しめましたか?
Mさん アートスクールは小学生の通う演劇学校で、発表会の練習を見学したり、群舞や歌を一緒に体験させてもらったりしました。地元の子どもたちと交流できて、楽しかったです。
Tさん 夜のアクティビティはいくつかの語学学校が合同で開催するインターナショナルなダンスパーティーでした。ほかの国のみんなは慣れているようでしたが、私たちは初体験だったので、「同年代でもこういう世界があるのか!」と驚きました。アクテイビティのない日に、友だち同士で近くのスーパーに買い物に行ったのも楽しかったです。
校長先生 マルタは治安が抜群によくて、地元の人も穏やかで優しいですよね。夏は夜遅くまで明るいし、安全・安心な環境が保証されていたので、自由に出歩いてお店の人
と話すなど、カナダやアメリカではなかなかできないことも体験できたのではないかと思います。
Mさん 世界文化遺産の見学も興味深かったです。歴史が残る街並みや大聖堂はとても素敵でした。
Tさん 地中海も本当に青くてきれいでした。遊覧ボートで沖に出たときは、海の底まで見えて感動しました。
校長先生 海から、石灰岩と青い波が織りなす風景を楽しみましたね。マルタは、島全体が文化遺産と言ってもいいほどの国です。根底にある文化が十字軍遠征やオスマントルコとの対立、マルタ騎士団の成立といった世界史の教科書に出てくる記述そのもので、ほかの国とはまったく違うと実感したのではないでしょうか。語学だけでなく、マルタの文化や自然に触れたことが、みなさんの興味の幅を広げたことと思います。ぜひ、この経験をこの先の進路や将来につなげてください。
世界へとつながる 新たなMIWADA English P rogram
中学教頭 湯原 弘子先生
三輪田学園は「つながり」を大事にしている学校です。そして世界中のだれとでも「つながる」ことができる女性を目指すツールとして、英語力を重視しています。これまでも充実したカリキュラムやさまざまな海外研修プログラムで英語力の向上を図ってきましたが、近年、加速する社会のグローバル化に対応し、さらに力を入れて取り組むことになりました。
 今回ご紹介したマルタ海外研修も今年の夏から開始した新しいプログラムです。中2~高2の英検準2級以上を対象に行い、確実な成果を上げることができました。また、これまで高1が対象だったカナダ語学研修についても見直し、2020年度は中3と高1を対象に実施、2021年度からは中3のみを対象にする予定です。そして高1はイギリスの学校のインターナショナルクラスで、ドラマメソッドに則って英語力を磨く「ハリーポッタープログラム」に参加します。もちろん今まで通り、オーストラリアの提携校でターム留学やイヤー留学に参加するチャンスもあります。今後さらに多くの生徒が多くの体験を積むことができるように、プログラムをより一層充実させる予定です。 
 そしてこうした取り組みに伴い、2020年度には帰国生入試・英語入試の改革にも着手します。ポイントは「英語力をより重視する」「英語入試の合格者に特別プログラムを用意する」の2点です。
 帰国生入試の英語は英検準2級程度のリーディング、リスニング、ライティングからなる45分のテストですが、英検2級以上を取得していれば英語の試験は免除となります。また、帰国生以外で英検を持っている受験生は、国語または算数のうち高得点の科目と、英検のスコアを「見なし得点」として換算する2科目入試になります。
 入学後の英語力強化プログラムとしては、帰国生入試で英語利用入試の生徒および入学段階で英検準2級取得者を対象に週5時間の英語を「取り出し授業」で行い、ネイティブもしくはネイティブと日本人のチームティーチングで英語力を鍛えます。そして中2以上は入試方式にかかわらず、英検2級以上が「取り出し授業」の対象となります。
 本校は、今年度からイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアの大学進学協定校推薦制度を導入し、より広い進路を叶える体制も整いました。もともと本校卒業生の進学先は多岐に渡りますが、さらに幅を広げることができると考えています。
創立132周年を迎えた三輪田学園は、各学年4~5クラスの完全中高一貫の女子校で、校訓「誠のほかに道なし」に従い、生徒も教員も誠実さを日常の学園生活で大切にしている。「つながり」を重視し、「人とつながる力」「引っ張って支えてつながる力」「世界へとつながる力」「新しい視野へとつながる力」「未来へとつながる力」の5つのチカラの育成を目標に掲げて、質の高い授業で着実に基礎学力を養成するとともに、将来の夢へとつながる「読書教育」や、人や社会とつながり「個」を磨く「道徳教育」で、確かな人間力も身につける。卒業後はほぼ全員が大学に進学。大学受験に向けては全教員によるサポート体制が整う。近年は理系学部への進学率の高さでも注目を集めるなど、卒業後の進路は幅広い。
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