学院の生命(いのち)、心の教育
MEIJI GAKUIN Jr.High School
明治学院の生命にうなずくために、
まず、学院の歴史を遡りましょう。
開国直後の1859年(安政5年)、
一人の米国人が神奈川の港に降り立ちました。
J.C.ヘボン博士(※)は、米国長老派教会の医療伝道宣教師です。
その後、ローマ字を開発し、聖書を和訳します。
医師として、教育者として、日本近代化に貢献。
今に、その名を残します。
1863年、博士は、「英学塾」を構えて日本の若者たちを迎えます。
明治学院の歴史が幕を開けます。
間もなく(1887年)には、白金台に普通学部を開校。
現中学校の源流です。
1963年(昭和38年)に武蔵野の森に高等学校を築きます。
その後、白金台の中学校も移転。
東村山の地に6年一貫の道のりが整います。
ここは、ただ一つの明治学院大学系列中学校。
そして、多摩地区では貴重なプロテスタント系「ミッションスクール」です。
日本で屈指の名門校は、
150年以上のとき、初志を誠実に守り継ぎます。
激動期に揺るがずに、
キリスト教に基づく心の教育に努めつづけます。
※James Curtis Hepburn(1815-1911)
学院が育てあげる人物像は、
時代に不変、世界で普遍です。
実力人
キリスト教人格教育の力強い働きかけによって、
揺り動かされて覚醒し、
自分の歩むべき道をきちんと見定めることのできる人のことです。
つまり、神さまが与えてくださった能力や特質を遺憾なく発揮し、
神さまと人々とに誠実に仕えることのできる
人のことです。
道徳人
神さまが与えてくださった使命に気付き、
世界に広がる喜び、感動、
神秘に目を見張ることのできる感性を持った人のことです。
また、自分に与えられた権利と果たさなければならない
義務とをわきまえ、規律を守り、
神さまと人々とを心から愛することの
できる人のことです。
世界人
国籍や民族などにとらわれず、
世界的視野と行動力とを持つ人のことです。
神さまが比類のない愛によって支えてくださり、
この世界にいのちを与えてくださった存在の意味を知り、
自分と同じように神さまから愛されている人々のことを心に留め、
世界の平和を祈念しつつ良き働き人として奉仕する力を
持った人のことです。
国際派私学の先駆者として
ここでは、「グローバル化」に慌てる改革は不要です。
海を渡った米国人が導いた学院は、
19世紀から世界を見晴らしていたからです。
かつてから、抜きんでる英語教育が信望を集めていました。
米国ホームステイプログラムが始まったのは1972年(昭和47年)です。
国際派私学の先駆者としてその名を覚えましょう。
*
近年、にわかに「グローバル教育」を始める私学とは一線を画します。
主題は「世界リーダー育成」ではありません。「世界人」(前記)の
あるべき姿を教えます。
日本の学校は欧米先進諸国に目を向けがちです。
この地に集う生徒諸君は、第一に、アジアの隣人と親交を温めます。
長年、フィリピンの貧しい子どもたちを扶けるために尽力。
感謝のメッセージが届けば、自分たちが嬉しい。
その感慨こそが「世界人」に至る糧です。
*
多くの「国際派」卒業生諸君は、「世界企業就職」よりも、
ボランティア団体(等)、草の根で直に人と関わる場に
「使命」を見いだします。
彼らの真摯な情熱に、学院の生命が映ります。
進学校×10年一貫校
◆中1~高1◆
学ぶ意欲と学習習慣を築く
▼
キャリアデザイン教育と学力の発展
◆高2/高3◆
【受験コース文系/理系】
国公立・早慶上理・MARCH(等)進学を
目指すカリキュラム。
自らの使命を果たす舞台へ挑みます。
【推薦進学コース(文系)】
高大の連携を密に、
大学が求める「アカデミックリテラシー」を修得します。
2つのコースに優劣はありません。
高1までに、自らの生き方を確かめたうえで、
想いを叶える道のりを選びます。
大学の名を掲げる私学は、
およそ「系列大学進学が原則」と「他大学受験指導を重視」の
2タイプに分かれます。
明治学院は、どちらも等しく光を照らします。
道を限らず、多岐に向かう澄んだ大志を支援します。
Do for others what you want them to do for you.
人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。
~「マタイによる福音書」7章12節 /新共同訳
すべての子どもたちを励ますメッセージ
ベルーフ( B e r u f)とは、「職業」を意味するドイツ語です。
原義は、「神から与えられた使命」です。
タラント(Talant)※は、「才能」を意味するギリシャ語です。
原義は、「神から恵まれた天賦」です。
ベルーフに気がつき、タラントを活かす。
生きる主題は“Do for others”です。
すなわち、自己を肯定し、自己を貴び、
社会で人々に尽す生き方を教えます。
明治学院の進路指導理念は力強い。
ここでは、「上級大学に合格」はゴールではありません。
世界中の隣人を愛し、助け合うことの大切さを忘れず、
倫理的な人になりなさい。
これからも、人々のために愛を絶やさず
貢献を誓う子どもたちを励まします。
生徒諸君は、6年間を貫き、心に刻みます。
(※英語では“Talent”)
武蔵野の面影を残す穏やかな街。
住宅街ロケーションながら校地は広大です。
陽光を浴びるグラウンドはグリーンの人工芝が覆って競技場のよう。
面積は約20000㎡。400メートルトラックが収まります。
都内屈指のビッグスケールキャンパスは、育ち盛りに相応しい。
心優しい明治学院生は、実はパワフル。
ユニフォーム姿が軽快に駆けています。ハンドベルの清浄な音色が耳に届きます。
放課後シーンに、他校と異なる「学院らしさ」が際立ちます。
正門から校舎までのアプローチを、生徒の真心がこもる花々が彩ります。
右手にチャペル。左手に樹木に覆われる赤屋根の洋館(※)。
毎春、校地内に咲き誇る桜並木が、新しい仲間を歓迎します