世界に目を向け、 知的で自立した女性を育てる(女子校)恵泉女学園中学校称

2018/11/22
~自ら考え、発信する力を養う~
世界
知的自立した女性育てる

“伝統と改革を、未来へ“をキャッチフレーズに知的で自立した女性の育成を目指す恵泉女学園。きめ細かな学習指導で希望の進路を実現する学力を養成するとともに創立以来大切にしてきた教育の3本柱「聖書」「国際」「園芸」を通じて豊かな感性を育みます。2 1 世紀を生きる女性を育成する恵泉女学園の教育に注目です。


現代教育ニーズいち早く捉えた
創立者思い
 恵泉女学園が創立されたのは1929年。世界が戦争へと向かっている時期でした。第一次世界大戦を経験したクリスチャン・河井道が「広く世界に向かって心の開かれた女性を育てなければ戦争はなくならない」という思いから自宅を開放し、学びの場として提供したのが始まりです。
 恵泉女学園は、創立当初から「世界に目を向け、世界の平和を実現する女性を育てる」ことを教育目標に掲げ、脈々と受け継いできました。創立者の思いは、現代の教育ニーズをいち早くとらえたものといえます。


自ら課題見つけ、調べ、解決する。
恵泉進める21世紀型教育

 恵泉には、生徒の主体性を育むプログラムが豊富です。在校生からは「グループに分かれて考える授業が多く、自ら調べ、深め、楽しんで学べる」「みんなで解法を探すアクティブなやり取りが楽しい」「どうしてそうなるのかという根本的な部分を考えることで興味が広がる」などの声が数多く聞かれます。学びの本質を大切にする工夫を凝らしたカリキュラムや学習指導が特徴といえます。
 例えば2017年にスタートした「理科好きを増やそうプロジェクト」もその一つ。様々な機会を通して生徒たちに刺激を与え、理科に対する興味・関心を高めてもらおうと始めました。中学・高校の全生徒を対象とし、昨年度は「結晶づくりコンテスト」を実施しました。
 中3では理科の学びの集大成として「探究実験」に取り組みます。班ごとにテーマを決め、実験・観察の計画を立て、実験後は結果をまとめ、発表します。レベルの高い内容に同校教員も期待以上の成果だったと目を細めていました。


全員「感話」。
自分考え持ち、発信する力育てる

 恵泉の1日は礼拝から始まります。讃美歌を歌い、聖書を読み、共に祈る大切な時間です。
 「6年間を通じて読み取っていく聖書からのメッセージは、生徒自身が生き方を考えるための大きな糧となります」と入試広報部長の德山元子先生は話します。中でも礼拝時に行われる「感話」は恵泉教育の大きな特徴の一つです。「感話」とは、生徒が日頃感じたり考えたりしていることを全生徒の前で話すもので、全員に年3回、卒業までに18回程度その機会がめぐってきます。テーマは自由で、家族、友情、社会問題、平和などさまざまです。時には真剣な告白もあり、聞いている生徒の心を揺さぶります。「友だちの意外な一面を知る機会にもなる『感話』は、本心をさらけ出してもそれが相手に受け入れられるという信頼関係が築かれているからこそ可能なのだと思います。どんなことを思い、語っても尊重してもらえるから、皆の前で語る勇気も湧くのです。先日の『感話』では「ヘアドネーション」(医療用かつらの材料として髪の毛を寄付すること)をテーマに取り上げ、ボランティアについて語った生徒がいました。その生徒は『寄付やボランティアを偽善という人がいるかもしれないけれど、偽善でも自己満足でも人のために役に立っているのは確かなのだから胸を張っていい』という話をしていました。髪の毛を大切にする年代ということもあってか、中高生は皆聞き入っていまし
た」と德山先生は説明してくれました。
 「感話」は、自己と向き合う大切な機会であると同時に、自分の思いを文章にまとめることで表現力や発信する力の育成にもつながっています。


確かな英語力国際的相互理解・
相互尊重身につける

 創立時より「国際」を教育の柱の一つに掲げる同校は、真のグローバルマインドを育てています。
 国際理解に欠かせない英語力の育成に定評があり、英検やTOEICといった外部試験でもその実力は証明されています。英語の授業では少人数制と豊富な選択授業により、「読む・書く・聞く・話す」の4技能をバランスよく伸ばします。中学で初めて英語を本格的に学ぶことを前提として、基礎をしっかりと理解し、知識を積み上げていくことを大切にしています。また、応用力やコミュニケーション力を身につけるために、ネイティブ英会話、習熟度別授業、選択演習授業、表現力指導などを行っています。また、授業以外でも短期・中期・長期留学などのプログラムを整え、英語力のレベルアップや国際理解力の育成を図っています。2016年度から導入した「エンパワーメントプログラム」その一つです。このプログラムは、夏休みの5日間、グループに一人ずつアメリカ人の女子大学生がつき、校内でさまざまなアクティビティやディスカッションを行うもの。生きた英語に触れ、コミュニケーション力やプレゼンテーション力など、グローバル社会で必要な力を養います。このプログラムをきっかけに中期留学やスピーチコンテストなどに挑戦する生徒もいるなど、英語の学習意欲も高まるようです。


希望の進路を実現するためのカリキュラム

少人数クラス
1年生の英語と数学、3・4年生の「社会と情報」、その他英会話や園芸などは少人数クラスで学びます。

習熟度別クラス
高校の数学や英語などでは習熟度別にクラスを編成し、生徒のやる気を引き出します。

先取り教育
教科によっては、高校の学習内容の一部を中学で学び、中高一貫校ならではのカリキュラムになっています。

補習制度
全員が授業内容を理解できるように、放課後に指名制の補習を実施しています。

自学演習
読書と自立的学習を習慣化する時間を設け、また、小テスト形式の問題演習に取り組みます。

科目選択制
高校では科目選択制を導入し、自分の進路希望に応じたカリキュラムで学ぶことができ
ます。


「考える恵泉」教育支える
メディアセンター

 ホームルーム教室24室分の広さ、9万冊の蔵書を誇るメディアセンターは、「考える恵泉」を象徴する情報センターです。4階まで吹き抜けのアトリウムの中央には、ガジュマルの木が植えられ、生徒たちを見守っています。
 2つのコンピュータ教室と2つの学習室があり、いろいろな授業スタイルに対応できる可動式の机も2クラス分設置。調べ学習や探究実験、英語の多読など、多くの授業で活用されています。
 また、自習のための「キャレルデスク」も増設し、生徒たちの自立的学習を支える設備もより充実させました。こうした学習環境や読書教育活動により、中1の平均読書量は年40冊を超えています。
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