学校を学ぶ貴い指針(共学校)鶴見大学附属中学校

2018/11/21
受験生保護者皆さまへ

学校選ぶ
指針
 秋が深まれば、小6生のご家庭は出願校を定めて備えるとき。中学高校期は生涯一度だけ。未来を拓く成長ステージです。賢明な選択眼が求められます。進学実績や各種教育プログラムの審査は不可欠。でも、数値やスペックを比べるだけで、わが子に相応しく、ご家庭の想いに適う私学を探し当てるでしょうか。
 このたび、ムーヴ編集部は鶴見大附属に向かいました。亀山校長先生にご指導いただきました。私学を見極めるとき、何を確かめるべきなのでしょうか。有益な指針を受け取りました。
 以下、記者の所感を含み学校選び観点のエッセンスをお話しします。

12歳の子どもたちは
皆が異なります
●興味の向く先……心に響く事物
●家庭環境……これまでの生い立ち
●成長タイミング……心身の健康状態
●世界認識……自己評価
●芸術表現・運動能力等に映る「天賦」
●現時点での体格・学力の到達度
etc

●迎えた子どもたちの「違い」を
  ポジティブに受容するを選びましょう
 入学式に並ぶ中1生のすべてが貴い「個」。ある種の基準に照らして優劣をはかる前に、等価な人格として歓迎するべきです。「率」「計」は、各校の指導力を伝えます。でも、そればかりを声高に誇る私学は危うい。生徒を塊(集団)として捉えているかのよう。学校の使命はチーム強化ではない。一人ひとりの成長支援です。
 「唯我独尊」は、しばしば、「マイペース」「自分勝手」(等)のニュアンスで誤用されますが、本来は「すべての人に、かけがえのない価値が備わる」が真義。仏教思想の根本を表す言葉。釈迦が誕生時に宣べたと伝わります。宗教思想を超えて、あらゆる文化に普遍の理念。色とりどりの「個」が会する学校は、一時も忘れてはなりません。


指導者(=学校教諭)が鍛えるべき心と技

「人」が薄情で非力であれば無益です。
 優れた学習指導力と頼もしい進路指導力は、中高教諭の技術として当然です。それ以上に重要な心と技を以下に列挙します。志願校の先生方は真に心得ているでしょうか。
🔷託された教え子すべてを見限らず力を尽す使命感(=愛情・情熱)。
 教職は「労働」ですが、澄んだボランティアスピリットを要します。
🔷大勢の生徒を一望しながら、個々の今を見つめる観察力。
 些細な表情・言動から察するのがプロフェッショナルな技です。
🔷状況に応じて適切に対処するための集中力と瞬発力。
 笑うとき、泣くとき、それぞれ、その瞬間に何を為すべきか。
🔷他の先生と情報を共有し協働するためのコミュニケーション力。
 教職は個人技ではない。チームプレーで子どもたちを導くべき。


誠実なアピールと堅実な未来ビジョン

 私学とは、学園の志に賛同した家庭が集う共同体。学校との相互理解が大前提。各校のアピールは、物品・サービスを売るための「宣伝」ではありません。共感者を募るための提言です。
 重責を負う学校が、「大言壮語」「誇大広告」が過ぎては不遜。以下に「誠実」を確信するシーン例を記します。
🔷根を支える思想や礎を築いた人物の生き方を堂々と語る。
 私学とは建学者(個人・団体)の意志を実現する場。
🔷自説を畳みかけずに、保護者と受験生の声に耳を傾ける。
 学校理念を重んじながら、生徒・保護者のニーズに応えるべき。
🔷入学生の学力水準・性格傾向(等)に基づく教育設計を披露する。
 「できる」を丁寧に果たすべき。(人と人の「約束」の基本。)
🔷不調和が懸念されるご家庭には、丁重にその旨を伝える。
 例えば合掌や経文を拒むのなら仏教主義校は不適です。

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