感性表現教育―生徒インタビュー(女子校)実践女子学園中学校

2023/09/27
感性表現教育―生徒インタビュー
相手を思いやって行動できる、自立した女性になりたい
――高校3年生――
私は中・高と和装着付部に所属し、高校では部長を務めました。なぜ和装着付なのかというと、小学校3年から6年まで上海で暮らしていたときに、人から私個人としてではなく、日本人として見られるという経験をして、日本の文化を正しく伝えたいと思うようになったからです。実践には箏曲や生け花、茶道などの部活もありますが、和装着付部で着物に触れるたびに柄の繊細さや綺麗さ、手触りの良さなどが好きになり、着物愛が増していきました。
 中学時代は同じ学年の部員がいなかったのですが、そういったことに惑わされずに自分の好きなことを最後までやり切ることができました。学年の壁がなく、先生だけでなく先輩方もやさしく指導してくださり、周りにも恵まれていましたね。毎年、文化祭では舞台に立って発表するのですが、帯でハイビスカスなどのお花を作るなど、
いろいろな表現方法を考えることができたのも楽しい思い出です。
 礼法の授業は中1と高3のときにあり、中1のときは正直、ぴんと来ていませんでした。でも学んでみると、難しく思えても大切なのは人への思いやりの心だということがわかり、礼法への考え方が変わりました。流派によって所作の違いはあっても、他者を思いやって行動するという基本は同じです。その基本は、グローバル化が進ん
だ現代でも、世界共通で通じるものだと思うのです。礼法で学んだ心を、今後、社会に出ても生かしていきたいと思っています。
 何がきっかけで将来、興味を惹かれるものになるかわからないので、授業ではすべてに真剣に取り組むようにしてきました。実際に、小学校では算数が大の苦手でしたが、中学に入ってからは数学の授業が楽しくなり、もっと難しい問題もやってみたいと思うようになったのです。数学はよく答えが一つしかないから楽しいという言われ方をするのですが、答えは一つしかなくても、その答えに至るまでにはいろんな方法を使うことができて、それが楽しくもあり、美しいと感じます。中学の授業で細胞について学んだときに衝撃を受けたことをきっかけに、iPS細胞について研究したいという夢もできました。
 高校では進路プログラムなどを通して自分を見つめ直し、選択する機会が多くあったことで、より自分について理解できるようになりました。委員会活動で人前に出ることも経験し、どちらかというとシャイだった幼い頃とは違う、自分の考えをもてる人間になれたと思います。今、社会で起きている様々な課題に対しても、他人事にせず、自分の考えをしっかりともって行動できる人になりたいです。
 大学では何事にも積極的に取り組みいろいろなことに挑戦していきたいです。今後、つまずくこともあると思いますが、実践で学んだことを生かし、自分で自分の進みたい道を見つけられる自立した女性になりたいと思っています。
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