女子美、幸福な“アトリエ”①(女子校)女子美術大学付属中学校

2022/09/20

女子美、幸福なアトリエ

美術教育を幹とする中学高等学校は、日本で、ここ女子美だけです。

全国に類似校が見当たらない特別な私立学校。1900年の建学以来の理念を固く確信、手法において自信に満ちています。今、ますますビビッド。支持者(≒志願者)が急増しました。「偏差値ランキング」とは別軸観点で選ばれる学園が求めるのは、学力以上に、真の理解共感。以下、その深みに大きくうなずくための指針をお話しします。


●率直に提言します。女子美に向かうには2つの条件を心に留めてください。

□ 本人:美術工芸が「大好き」で、夢中になっている。ただし、上手/下手は不問。

□ 保護者:娘の創作意志を貴び、芸術家の「パトロン」のように賛助を約束している。

高純度な「わたしらしさ」

自己をはかる尺度は

英語力でも、運動能力でもない。

さらに、絵画や彫塑の技術力とも違う。

 

Aさん(卒業生)は、学業ではトップクラスでした。でも、在学中、劣等感を覚えました。自由奔放に鮮烈な 「わたし」を披露する友人と比べていたからです。ここでは、6年間を貫き、「わたしらしさ」が問われます。「らしさ」に順位なく、審査するのは自分。合格点なく、修了を宣言するのは自身です。Aさんは、健気「わたしのカラーとフォルム」を探しつづけました。その物語こそが、女子美エデュケーションの神髄です。一般校では、客観数値評価が支配します。画一基準の達成を積むだけの日々で、周囲に滲じまず際立つ「わたし」を創造できるでしょうか? 女子美生は幸福です。


TOPICS●スペシャリストの卵たちの コラボレーション

「らしさ」を重んじるから、安易な迎合や妥協を嫌い、他者への共感強要が薄い。同調圧力で統治されません。行事(等)では、仲間の技量をリスペクトしながら、阿吽の呼吸で個々の強みを発揮。チームワークは、スペシャリスト型(トップアーティスト型)です。

タフな成長ストーリー

世界のトップアーティストレディーが 

眩しく光輝くのは何 なに 故でしょうか?

自己に厳しく、磨きつづけたからです。

 

画竜点睛、大作を仕上げました。ところが、美術教諭は数々の欠点を指摘。時にクラスメートが手厳しく 意見。「わたしらしさ」を精いっぱい織り込んだのに。胸の奥に刺さります。全否定では挫 くじけてしまう。指導 者は、細かいセグメントに分割して長/短を説きます。小さな淘 とう 汰 た を促しながら、ブラッシュアップを励まします。 アーティストレディーたちはプライドが高い。慰めるような甘いレビューに喜ばず、シビアな批評を勇んで受け取り自己解釈。再び、絵筆を握って色を添えはじめます。大人の目には険しいドラマに映るでしょうか? でも、 これが女子美生の日常です。

 

TOPICS●アトリエとは 如何なるところか?

映画での美大の定番シーンといえば、石膏像を囲む画学生。美術は集団で指導します。隣席のカンバス を相対的に参照しながら、目前の描写を改めるためです。ここでは、授業、学校行事、部活動。あらゆるシーンが、美大のアトリエと同じです。

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