仲間との時間を思いっきり楽しむことが 未来を生きる力になる(共学校)国士館中学校

2022/11/10
仲間との時間を思いっきり楽しむことが未来を生きる力になる
学校生活のあらゆる場面で、「ほんものの体験」を通して学ぶことを大切にしている国士舘中学校。なかでも宿泊行事は、アウトドア活動が満載の魅力的なイベントです。コロナ禍の影響で、ここ2年間は中止せざるを得ない活動もありましたが、今年はすべて開催され、国士舘生の笑顔がはじける時間が戻ってきました。
国士舘中の「下田移動教室」はこんなにすごい!
 国士舘中学校は、3年間を通して体験から学ぶ機会を数多く用意していますが、その中でも中学3年生の9月初旬に実施する下田移動教室は中学校生活の集大成ともいえる大きな行事です。
 「今年の中3はコロナ禍のために様々な行事を体験できずにいたので、今回、下田移動教室を実施できて本当によかったと思います」と話すのは、中学教頭の神山優子先生です。
 「お天気にも恵まれ、海で行うプログラムもすべて体験できたんですよ。生徒たちは、『日ごろの行いがいいからだ』などとうれしそうに話していました」
 先生方が生徒一人ひとりの泳力を確認するために、事前準備として、2日間にわたる水泳講習も実施。使用した学園のプールは深さを変えることができるので、最初は1.2~1.5メートルの深さで行い、2日目の最後に3メートルの深さにして、底に足のつかない状況も体験しました。
 「水泳講習では、1日目の最後にグループ分けをしてリレーをやったら、ものすごく盛り上がったんです。そこで2日目は、浮き輪のように使う発泡スチロール製の船を2人1組で泳いで運び、それをバトン代わりにするリレーに挑戦しました。初めは3メートルの深さを怖がってプールサイドやコースロープから離れられなかった生徒も、リレーが始まったら怖さを忘れ、夢中になって泳いでいました。もちろん過信は禁物ですが、足がつかない状況でも泳げるという体験をすることで、海で万が一のことがあっても、焦らずに対応し、危険を回避することができると考えています。生徒もそれをしっかりと意識し、楽しみながらも、やるべきこと、注意すべきことには真剣に取り組んでいました」
 そして9月6日、いよいよ3泊4日の下田移動教室がスタートしました。
アクティビティが目白押し。仲間がいるから楽しめる
 1日目は、まず国士舘教育の礎となる吉田松陰ゆかりの場所である寓奇所を訪れて、国士舘の原点に触れることから始まります。その後、白浜板戸漁港で入村式を行い、漁船体験乗船をしてから、数名ずつのグループで民宿に泊まります。2日目は、朝、アジの干物づくりを体験したのち、クラスごとに午前午後に分かれて、シュノーケリング・シーカヤック体験と、漁港での釣り体験および砂の造形体験に挑戦します。
 「アジの干物づくりは、実際に一人2~3匹のアジをさばいて開きます。マリンスポーツはもちろんとても楽しんでいましたが、釣りも盛り上がりました。最初のうちはまったく釣れなかったのに、終わるころになってどんどん釣れるようになり、なかには一人で10匹以上釣る生徒もいたんですよ。立派なイサキを釣った生徒は、漁師の方にもほめられて、とても得意そうでした」
 3日目は、ジオガイドツアーで下田の地層を見学・学習し、白浜のビーチクリーンを体験します。ビーチクリーンでは、軽トラック1台分ほどのゴミを回収できたそうです。「ゴミを拾うだけでなく、砂を掘り起こして埋まっているペットボトルを集めたり、大きなタイヤを運んでくる生徒もいてびっくりしました」と神山先生は笑います。その後、閉村式を行い、お世話になった民宿の方にお別れの挨拶をして、この日に宿泊するホテルに向かいました。ホテルでは、紅型の染付の先生から指導を受けて、一人3枚のコースターを作成。さらに、玉泉寺とハリス記念館で黒船来航時について学んだあと、吉田松陰が黒船に乗ろうとして隠れていた弁天島も訪れます。
 「この日の晩御飯は屋外のバーベキューガーデンで、肉を焼きます。魚料理が続くので、ここで肉を食べるのもうれしいようですね。うちの生徒はどこに行っても、本当によく食べるので、いつも驚かれます」
 みんな興奮冷めやらず、ホテルに帰りますが、たっぷり体を動かしてきたこともあり、消灯時間の前に寝てしまう生徒も多いのだとか。
 そして最終日もアクティビティは続きます。日米和親条約を締結した了仙寺を訪れて、開国時の日本文化と外国から見た日本のイメージについてお話を聞いたのち、班ごとに下田歴史の散歩道を散策し、下田海中水族館に向かいます。ここではバックヤードツアーで水族館の裏側も見学しました。
 「4日間盛りだくさんのメニューを詰め込んでいますが、生徒はどれもとても楽しんでいました。何より大切なのは仲間の存在です。教師が指示しなくても、道具がなくても、仲間さえいれば、自分たちの手で楽しむことを作り出せると実感したのではないでしょうか」
 こうして仲間と協力し合い、互いに認め合う経験が、人としての成長を促します。
 「中高時代に、仲間と一緒に何をしたかということは、その後の人生に大きな意味を持つと思います。本校でたくさんの体験を重ねて、未来に生きる力を培っていきましょう!」
武道と礼法を学び、文武両道を目指す
 国士舘中の学びには、武道や書道を通した礼法があります。「本校の教育はすべて、国士舘の創立の理念である『世のため、人のために役立つ人材の育成』につながっています。礼法で正しい所作を身につけることは、将来、社会に出たときに必ず役立ちます。武道も、ただ勝つためや技を磨くためだけではなく、礼節を身につけ、相手を思いやる心を培うことを目標としています。こうした日本の伝統的な文化を学ぶことは、国際社会でのコミュニケーションにも役立つはずです」
 学習指導もきっちり行われています。基礎学力の徹底を目指してわかりやすい授業を展開し、朝テストや放課後学習も実施。勉強に向かう姿勢を確立するとともに、一人ひとりの力を着実に伸ばす指導を行います。英語検定、漢字検定などにも積極的にチャレンジ。文武両道を目標として、部活動との両立も重視しています。
 国士舘中が見据えているのは3年後でも6年後でもありません。10年後、生徒が社会に出たとき活かせる力を、土台からしっかりと築き上げます。
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