男の子は難しい。しかし、男の子は確実に変わる。(男子校)藤嶺学園藤沢中学校

2021/11/01
男の子は難しい。
しかし、男の子は確実に変わる。
それが男子校を続ける藤嶺学園の結論です。

男子校の意義

「今どき、男子校?」と思われるでしょうか。それとも、「今だからこそ男子校?」と思われるでしょうか。藤嶺藤沢はどちらの思いも正しいと考えます。今どき男子校は珍しい存在です。だからこそ、今、男子校なのだと思うのです。特に、まだ子供を脱しきれないにもかかわらず、子供のままでもいられない、いたくないと考える中学生。大人に一歩足を踏み入れる多感な時期だからこそ、仲間やライバルと、丸裸で心を見せ合い切磋琢磨できる男子校にこそ、大きな意義があるのではないか、そう考えています。

時宗総本山・清浄光寺の参道が通学路

その静けさから感性に響く影響

中学校のすぐ近くにある時宗の総本山・通称遊行寺。おそらく大半の生徒たちは、何も考えることなく、ただ通学路だからと、そこを毎日通っていることでしょう。それでいいのです。もちろん、何かに目覚め、何かを感じ取り、遊行寺を拝する生徒もいるでしょう。それはもちろん大切な事ですし、素敵なことです。しかし、そこまでのことがなくとも、毎日学校に通うたびに、知らず知らずその風景を目にし、その空気を吸う。それが大切なのです。その毎日通う参道から、もしかしたら生徒たちは、学校の授業以上のさまざまな教えを、もらっているかもしれないのですから。

少人数制の大切さ

本校の1学年の生徒数は、中学校約100名、高校約200名です。これは大規模校がひしめく神奈川県にあっては、貴重な存在だと自負しています。少人数であるからこそ、すべての生徒にすべての先生の目が届く。本校では「生徒が動いているときは、いつ何時でも、先生は必ず生徒と一緒に動く」をスローガンにしています。休み時間、お昼の食事時間、昼休みにグランドで遊んでいる時間等々、誰かしらの先生がいつも生徒と一緒にいます。先生も生徒も人それぞれです。生徒にとっては合わない先生もいるでしょう。しかし、本校ではすべての先生が一人一人を見てくれています。

つまり、どんな生徒でも、理想の先生とのマッチングが可能だということです。担任とだけ話さなければならないということもありません。自分のことをわかってくれると感じた先生に、まずは心を開いてくれればいいのです。そういう先生を1人持つ事で、他の先生や生徒たちとも打ち解けていくことができるはずです。

ダメなものはダメという教えの意図

昨今、学校でも社会に出ても、「ほめて伸ばす」が主流です。もちろん本校も賛成です。上から押さえつけるだけの教育では、伸びる芽も摘んでしまうことになりかねません。しかし、ほめることと「ダメ」を野放しにすることとは違います。特に、まだ子供と大人の境にいる成長期の中学生には、「ダメ」も教えないといけません。学校生活のみならず、社会に出てからの長い人生、「ダメなものはダメだ」ということを覚えること、これは人間形成に関わる大切なことだと考えています。理屈や主張の正当性ではなく、人間としてやっては「ダメ」なことは、絶対に「ダメ」なのです。本校では、ほめて伸ばすことを推奨はしても、その一点だけは譲れません。それが将来、必ず生徒のためになると考えるからです。

受験に特化しない「多教科型」の必要性

本校では、高校2年生の時期まで、履修科目を絞ることをしていません。「5教科7科目」の、いわゆる多教科型の授業を行っています。中高一貫校という高校受験に縛られない学校だからこそできることでもあり、これによって大学受験では、私立のみならず、国公立大学進学という選択肢も持ち続けることができます。しかし、本校のこの考え方は、受験だけを考えたものではありません。そういうと、がっかりする保護者の方々もいらっしゃるかもしれませんが、生徒たちにとって、将来何が大切なのかを考えた時、果たして有名校への進学だけを重視すべきなのでしょうか。知識よりも教養。これが子供たちの人間性に幅を持たせてくれると考えています。「数学の方程式は社会に出たって使う機会はない」「化学式なんていつ使うのか」、歴史は?、倫理社会って?。違います。そのような素養を持つことこそ、何があるかわからない実社会に出た時に、知らず知らず大きな武器となるのです。そのような考えのもと、本校では、多方面に渡る智慧と教養を吸収してもらいたいと、「多教科型」のカリキュラムを推進しています。

仏教を学び心を育てる趣意

本校は、時宗・一遍上人の御心を礎とした仏教校です。ただしそれは、偏った宗教学校という意味ではありません。日本人の心の中には、必ず宿る仏心があるはずです。例えば、旅先でお寺をお参りしたときに初めてなのに心落ち着く経験。誰しもお持ちではないでしょうか。それが日本人の中にある仏心ではないかと考えます。しかしそれは、普段なかなか表に出てくるものではありません。思い起こさせてくれる「何か」が必要なのです。本校では、日々の生活の中で、その「何か」となる教えを、日々の授業や課外活動、さまざまな行事を通じて子供たちに伝えていきたいと思っています。※その例が、5年間の茶道、剣道の必修です。

時宗・一遍上人のお教えにつながる建学の精神

本校の建学の精神は「質実剛健・勇猛精進」です。「質実剛健」とは、「自己が一人の人間として尊い存在であることに目覚め、真に社会に貢献できるよう、その人格の完成に努めること」であり、「勇猛精進」とは、「何物にも動じない勇気、即ち猛烈にやる気を起こし、あらゆる困難にも負けず、大きな目標や目的を達成するために、一生懸命努力を怠らないこと」の意で、どちらも一遍上人の説いた教えをもとにしています。

●質実剛健…中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま。まじめで素朴であり、充実感があふれていて、たくましいこと。

●勇猛精進…積極的に物事に取り組み、はげむこと。精力的に努力しているさま。また、志を固く保ち、困難に打ち勝って仏道修行に励むこと。

<<戻る