2022年度 中学入試は どう行われるか(受験情報)ムーヴ編集部

2021/09/23
2022年度中学入試はどう行われるか
昨年の休校期間中の対応などから一段と信頼感を高めた私立中学校。
コロナ禍にもかかわらず2021年度入試は受験者が増加した。
模試の受験状況を見ると、2022年度入試はさらに増えそうな動向だ。
主な変更点など、2022年度入試のポイントをお届けしよう。
これからまだ多くの変更が出るので、志望校を中心に情報には十分注意していただきたい。
2 0 2 2 年度入試の全体像
2021年度入試で受験者が増えた要因
コロナ禍による不況で受験者数が減少してもおかしくなかった2021年度中学入試だが、実際には増加した。なぜだろうか。いちばんの要因は、休校期間中の対応で公私の差がハッキリと出たことだろう。公立の小学校・中学校がコロナ対応に四苦八苦する中、私立中学校はスピーディーで柔軟な取り組みを行った。ICT教育がほぼ手つかずの状態だった多くの公立に対し、すぐさまオンライン授業を開始できた私立の存在が保護者に信頼感を抱かせたのは間違いないだろう。
首都圏の小学校卒業生は少しずつ減少
首都圏の小学校の卒業生数は2 0 2 0 年度の2 9 万7 0 0 0 名をピークに、2021年度は29万6000名、2022年度は29万4000名、2023年度は29万3000名と、少しずつ減少する。全国的には少子化が深刻になっている地域が少なくないが、首都圏は少子化の進行が遅く、中でも東京は2023年度まではこれからも増え続ける。
学校の動向
私立中学校
【開校】
●千代田国際は、武蔵野大学附属千代田高等学院に併設されるもので、休校中の千代田女学園が再開する中学校だが実質的な新設だ。
●2023年度だが、流通経済大学付属柏中学校(千葉県柏市)が開校する。

【高校募集停止】
●豊島岡女子学園が高校募集を停止するが、中学の募集人員は増えない。

【中学募集停止】
●2023年度からだが智学館中等教育学校(茨城県水戸市)が募集を停止する。

【共学化】
●星美学園(女子校)が共学化して校名を「サレジアン国際学園」に改称する。PBL型の授業やインターナショナルコースの設置などを前面に打ち出している。なお、系列校の目黒星美学園(女子校)も1年遅れの2023年度から共学化し、校名を「サレジアン国際学園世田谷」に変更する予定だ。

【コースの新設、改編】
●工学院大附属は「K-STEAM」として、グローバル・リベラルアーツと数理情報工学を融合した先進教育に取り組むことから、従来のハイブリッド特進理数、ハイブリッド特進、ハイブリッドインターナショナルの3クラス制を先進とインターナショナルの2クラス制に変更する。
●実践学園は高校からの募集だったリベラルアーツ&サイエンスコースをに高校では2020年度からカリキュラムに解析学概論を取り入れていて、エビデンスに基づいた思考力の育成を図る。
●三田国際学園は本科、メディカルサイエンステクノロジー、インターナショナルの3クラス制だったが、本科を募集停止とし、インターナショナルサイエンスを新設、インターナショナルとの2クラス制とし、メディカルサイエンステクノロジーは中2からの開設とする。
●日本大学がNスタンダードコースをアカデミックフロンティアコースに改編、他大学進学も視野に入れた進学ハイブリッド校としてのパワーアップを図る。
●横浜創英は「科学の視点・方法論」で物事を考えられる生徒の育成を図るため、高校入学生とは混合しない6年間一貫のサイエンスコースを新設、在来のコースは本科とする。
●二松学舎大学附属柏は、探究活動にさらに磨きをかけるため、グローバル、特選、選抜の3コース制からグローバル探究と総合探究の2コース制へ変更する。
●春日部共栄は生徒たちの興味関心に基づいて在来のコースをプログレッシブ政経コースとIT医学サイエンスコースに分けて、中学段階から研究活動を積極的に取り入れていく。

【入試の変更】*定員の移動、日程の移動は紙数の関係で取り上げていない。
●川村
 2月5日と6日のセレクト入試に1科目入試(国語か算数)を新設。
●共立女子
 2月3日午前の英語インタラクティブ入試を2月3日午後入試(英語4技能・算数)に。2月3日午後の合科型入試を2月3日午後入試(合科型論述・算数)に。
●昭和女子大学附属昭和
 2月1日午後を思考力総合入試から2科に変更。2月1日、2日のスーパーサイエンスコースの科目を4科から国算理に変更。
●女子聖学院
 2月3日午前に2科・4科得意プラス型を新設。2月3日午後にBaM(Be a Messenger)表現力 (国語基礎・算数基礎・自己紹介・面接)を新設。
●日本大学豊山女子
 2月2日午後の「思考力型」を「課題解決型」に名称変更。11日の「思考力型」は廃止。
●文京学院大学女子
 2月1日、4日の「思考力プレゼンテーション型入試」を「科学実践(SSH型)」(仮)に名称変更。
●三輪田学園
 2月1日午前にも英検利用入試を追加。
●山脇学園
 これまでも英語入試を行っていたが、新たに2月1日午後に英語AL(アダプティブラーニング)入試を実施。英語は英検3級相当以上の英語力を有していることを条件に、当日は算数のペーパーテストを実施。集合時間は15時、17時、18時30分の3回。つまり3回とも試験問題は異なる。
●湘南白百合学園
 2月1日午後に算数1教科入試に加え、国語1教科入試を導入。
●聖セシリア女子
 2月1日午後のB方式を「読解・表現30分、グループワーク40分」から「適性検査40分、グループワーク40分」に変更。2月3日午前にB 方式英語表現入試を新設。英語面接と身体表現(ジェスチャー・ダンス)。
●大妻嵐山
 1月11日午後の「プログラミング入試」、「1教科英語入試」をやめ、1月10日午前に「まなび力エキスパート入試(国語・算数・英語から2科選択+エントリーシート)」を新設する。
●郁文館
 総合入試の科目を第1回・第2回は国語・算数・英語から2科選択に、第3回・第4回は2科4科に、第5回は2科に変更。iPclass選抜入試の科目を2科に変更。また第2回を2月2日から3日に変更。適性検査型iPclass選抜入試を2月5日に新設。GL特進選抜の入試科目を英語+面接に変更
●穎明館
 2月4日午前の第4回を総合入試(総合Ⅰ<国・社>と総合Ⅱ<算・理>)に変更。
●芝浦工業大学附属
 リスニング問題を国語・算数に加えて理科でも実施。全日程をこのスタイルで実施。
●城西大学附属城西
 2月2日午前の適性検査型に大泉型(適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)を追加。
●創価
 4科を4科または国語・算数・英語の3科に変更。
●安田学園
 2月1日午前、2月4日午前に4科または国語・算数・英語の3科の「先端特待入試」を新設。
●早稲田実業
 募集定員 クラスサイズ、クラス数とも減らすため、中等部は2021年度が125名(男子85名、女子40名) 帰国生徒 3名以内だったものが、2022年度は約110名(男子約70名、女子約40名) 帰国生徒 若干名となる。
●桐蔭学園中等教育学校
 2月2日午後の第2回を、2科(国語・算数か英語・算数)または算数(記述)<この回で特別奨学生を約20名選抜>に変更。2月5日午前の第3回を、2科・4科・AL入試(総合思考力問題・算数基礎・面接)のいずれかから選択に。
●日本大学藤沢
 従来からの第1回(2月1日午前)、第3回(2月4日午前)いずれも4科に加え、第2回(2月2日午後)を新設する。国語・算数の2科で実施
●江戸川学園取手
 英語型以外の5科型、適性型もすべて英語必須に。ただし、小学校でふつうに学んでいればできる問題でリスニング問題のみ。解答も選択式で記述はなし。

【その他】
●獨協&獨協埼玉
 2校合わせて獨協医科大学に10名の推薦枠が設定された。

公立中高一貫校
【開校】
●茨城県立水海道第一高校附属と茨城県立下妻第一高校附属が開校。茨城県では2020年度~2022年度にかけて10校の公立中高一貫校の増設を進めている。来春開校する2校はその計画の最後。
【募集人員増】
●都立大泉高校附属と都立両国高校附属が高校募集停止に伴いそれぞ
れ40名増やす。
●都立白鴎高校附属の高校募集停止は2023年に決定。
【その他】
●立川国際中等教育学校が附属小学校を開校、小中高一貫校に。
●神奈川県立相模原中等教育学校、平塚中等教育学校が選抜のグループ活動をとりやめる(新型コロナ感染防止対策)。募集を男女各80名から合わせて160名に変更。
●千葉市立稲毛高校附属が年次進行で千葉市立稲毛国際中等教育学校に移行。選抜方法も大きく変更し、2段階選抜に。1次検査12月11日(適性検査Ⅰ・Ⅱ)、2次検査1月24日(適性検査Ⅲ・グループ面接)。募集人員も男40名・女40名から男女計160名に変更かつ増やす。

国立大学附属中学校
●筑波大学附属
 小学校からの「報告書」の点数を変更。英語を加え、国語・算数・社会・理科
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