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うちの子は受かるでしょうか?

■結果は、意外に「順当」?

私立学校のなかには、志願者のほぼ全員が合格できる学校もある。(そのような学校が質に劣るワケではない。念のため。)が、しかし!多くの学校では競争倍率が存在する。つまり、木枯らしに吹く真冬の夕暮れに、「ガぁ~ン・・・」っとショッキングな判定を目の前にする覚悟を要する。今も入試は入試だ。

世の中は、なんだか浮かれる12月。各塾では「ウチの子は受かるでしょうか?」と、すがる眼(まな)差しで訊(たず)ねられる。受験生本人には、志望校を心に決めたからには「絶対受かるぞ!」と励まし推進力を保つのが正義正道だ。ただし、親身な塾講師は、保護者の方にはそんなノーテンキな発言はしないだろう。最大限の希望でも「受かる可能性が極めて高いですが、慢心なきよう。」が正解ではないか?当日、体調を損ねる場合だってあるのだ。私の塾講師時代の経験でも、ほぼ確実と思われていた生徒の不合格例が、トラウマのように強く印象に残る。縁起でもないが、それくらいの覚悟で気を引き締めておこう。ここで、鶴亀が夢を売っても誰も救えない。別記事でも記したが冷静さが必要だ。正しい現実認識こそが、正しい未来につながるのだ。

さて、多くの受験生諸君が受験しているであろう、大規模な模試の偏差値ランキングは、局所的には明らかな違和感や掛け値?は指摘できるにせよ、あくまで大枠として、それなりに信憑(しんぴょう)性がある。いろんな事情が絡まり「神の見えざる手」によって、本番の結果と模試の結果が調和するのだろう。

そんなワケで、私の現役塾講師時代も、冷静に思い起こせば、ほぼ、全体としては「順当な」結果だったと思う。また、(もともと学習塾の人間が、こんな発言するのも忍びないが、)直前期に根本的な学力が飛躍的に伸びるとは考えがたいゆえ、年末のポジションが、ほぼ、2月のポジションだろう。

つまり、受かるといわれている子は受かるし、難しいかなぁ、といわれている子は難しいということ。が、しかし。そんな風にクールに説明されても、希望がしぼんでしまうじゃないか!いう皆さんへ、「たぶん、無理でしょッ。」と冷たく放つ前に、以下、少しでもプラスになるよう、直前期の見極め方、および、学習についてのささやかなヒントをお伝えしたい。

■傾向と対策って何だ?

さて、マクロ視点では、およそ順当に決まっているかと思われるが、希望でもあり懸念事項でもある要素が残る。それは、通常の模試や塾でのテストと、本番のテストとは異なるということ。中学入試の問題は、いうまでもなく学校による個性が存在する。一部の学校は、かなり濃ゆいキャラクターが漂う。

そこで、康夫君が、A校の問題は30点、B校の問題は80点という結果も十分にありうる。特に算数は思わぬ差が発生しやすい。みんなが同じ傾向なら相対評価としては問題ないが、康夫君とほぼ同格の一郎君が、両校とも60点の可能性もある。極論ではあるが・・・。つまり、各学校の入試の得点と、通常の模試で判断された学力差が、キレイな相似型になるとは限らない。

そこで、いわゆる「傾向と対策」が、直前学習のキモとされ、各塾でも取り組んでいるだろう。ただし、「傾向と対策」は、あくまでプロの適切な指導のもとで高密度に取り組んでほしい。ただ「過去問を解くだけ」ではホンキの対策とはいない。多くはその学校の傾向を「経験するだけ」で終わってしまい、「対策」が欠けているのだ。以下は、塾で適切な指導を受けるために、ご家庭でも知っておいてほしい基礎知識をお伝えしておく。

傾向には、「量的要素」「難易度要素」「形式的要素」「分野的要素」があると思う。ほか、「用紙仕様」も重要な要素だ。少なくとも私はその観点で分析していた。

そのなかで、ご家庭でも判断できるのは「量」だろう。時間制限こそが、テストの根幹。実は得点力を大きく左右するのは、絶対的な学力ではなく時間とのつきあい方。極論だが、50分なら50点の生徒が、60分あれば80点とるなんて「10分の重み」思い知る結果も可能性としてはありうる。なのに、日ごろの学習では、シビアに時間制限を設ける学習が希薄では?「ゆっくり時間をかければできるんだけどなぁ」などと、甘く慰めていないだろうか?

50分間のテストで、設問が10問あれば、1問の時間は単純に5分のみ。さらに、人間は機械ではないので、単純に5分×10問=50分というワケにはいかないのだ。そういうリアリティも考慮するように。時間との戦いは、根底的には継続的なトレーニングを要するとはいえ、1週間の突貫工事でもよいから受験校の問題量感覚を身につけてほしい。「処理能力」が飛躍的に高まる期待はないが、少なくとも問題を処理する「計画性」は得られるのではないだろうか。
(学習以外の生活全般でも、たとえば、歯磨きでも着替えでも、時間を意識する行動習慣がほしいところだ。)

形式や分野については、学校によりさまざまなので、塾の先生の効果的なアドバイスをあおいでほしい。要所は「傾向」ではなく「対策」にある。(ただし、なんたって、私立中学校の数が多いのだ。上位校や、その塾の近隣校以外は、それほど繊細な対策は期待できないかもしれないが・・・。全塾を代表して謝っておこう。)

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●入試問題の「メッセージ性」
その学校の教育内容や方針をあえて入試問題に色濃く反映させている出題がある。これは受験生へのメッセージなのだ。記述式、特殊な分野など、さまざまな形態として具現化されている。上位校に多いかな?このような出題傾向が強い学校は、その学校の出題意図を、しっかりと理解共感する高い姿勢が求められる。学校説明会などで、しっかりと情報を得てほしい。
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■駆け引きを勧めるのは不健全ではあるが

ニンテンドーやソニーに長(た)けた少年少女であっても、まだ純朴な12歳の子どもたちは「駆け引き」が苦手。だが、しかし。言葉は悪いが、テストは1点でも高得点が勝ち。ゲーム感覚も必要。生真面目が過ぎると、1点を無駄にする。たとえば国語の漢字。漢字は書けなければ50分考えていても、「あ、そうだ!」と思い出す幸運はまれでは?でも、な~んか気になって漢字から離れられない。お母さんお父さんの受験でも、そんな経験はないだろうか?ひとつの問題にこだわってしまって、時間が消費されてしまう。いうまでもなく、希望のない設問に時間を費やすのは無益。読解問題1問に力を注ぐのが賢明。できないモノは捨てて、ほかの問題で確実に補填(ほてん)する。そういう戦略的な姿勢も必要なのだ。

塾の先生方には叱られてしまうかもしれないが、私の処方を少々。
まず、たがが1時間のテストで後回しはない。現実的には、あとでノンビリ見直しやり直す余裕はないだろう。1問1問解決するつもりで。ダメなモノはダメと(とりあえずは)見切る。選択肢の問題であればとりあえず「ア」とか「ウ」とか記入しておく。マグレ期待は禁物だが、空欄よりは可能性はあるからだ。マグレ期待部分は、問題用紙に、印を付けておく。幸いにして余裕がある場合、見直しが可能だと思う。そういう小技が救う。

力の配分メリハリも意識しておこう。漢字は書けなければ軽く捨てて忘れるべきだが、算数の計算は、全身全霊を傾けて確実に処理するべきだ。

駆け引きというより、要領のよさというべきかもしれないが、試験本番で大きく差がでるのが問題用紙の「余白」の使い方。入試問題は、必ず過去の実物を入手して余白がどれくらいあるのか、計算用紙はあるのか、を知っておこう。賢い子は、余白を上手に使う。落書き帳にしない。計算でもノートのように問題番号を書く、垂直水平に書く、が基本。問題番号があれば、あとで余裕があったら見直せる?垂直水平に書くのが最もスペースを有効に使えるのだ。その習慣づけはあと1ヶ月でも確立可能だ。

以上は、鶴亀案の一例。ノウハウは各塾の先生の指示に従ってほしいが、とにかく、1点でも多く得点するための小技を備えてほしい。

■合格のリアリティは「合格最低点」でわかる

というワケで、入試では、漢字1問の差で合格/不合格が決まる。そこで、偏差値という全体的な統計数値より、絶対的な得点力シミュレーションが生々しい。

直前期になると、その学校の「合格最低点」が大いなる基準だと思う。難易度を漠然と捉(とら)えるのではなく、絶対基準により合否が決定する検定試験のように捉(とら)えた方が、シンプルで、明解で、潔いからだ。偏差値にかかわらず、「果たして、その合格最低点が獲得できるのか?」という観点。

合格最低点は多くの学校で公表されているだろうし、説明会などで、だいたいボーダーは何割くらいでしょうか?と訊(たず)ねるのもよし。不明なら学習塾へ相談してみよう。データ収集に熱心な学習塾は、例年、受験が終了した生徒の自己採点から、その合否からおよその最低点データを蓄積しているはずだ。あくまで参考とはいえ、これは、けっこうリアルな合否判定に使える。ご家庭でも、「え~、この問題で70点は無理無理!」「これで60点は楽勝だろう!」と、入試をリアルに見定めることができると思う。絶対に希望的な要素をだけを加味しないよう。悪い展望こそを重視するべきだろう。あくまで冷静に客観的に分析してほしい。

実際にカコモンをやってみてもよいが、必ずしもその得点はあてはまらない。カコモンをやる状況と実際の入試の状況は違う。実は、問題を解かなくとも、学習塾で直接授業を担当している講師であれば、ある程度は推測できる。指導担当者であれば、生徒の弱点や得意分野を把握しているはずだし、問題の難易度も適切に判断できる。具体的な問題を1問1問検証して、「これは解ける」「これは無理」という判断ができるだろう。この学校の問題で「ウチの子は何点とるのか?」を訊(たず)ねてみるとよいだろう。モンモンとした進路相談より益ある懇談ではないか?
(学校人気の上下、日程の追加による志願者の動きなどで合格ラインが上下するため、正確な判断にはプロの目は要する。)

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●本格的な動向分析はストレスになるだけ?
たとえば、現実的には同時に複数の難関校を受験できないから上位生徒は散る。そこで、模試と入試では競争相手も異なるから、模試のデータがあてはまらないという説。これが、プロ的入試難易度の判断の要所か?ところが、これは、家庭で見極めるレベルの分析ではないと思うし、考えても明確な結果はわからない。ある程度、模試結果は、そのような志願動向までも折り込み済と考えておくくらいがよいと思う。
なお、直前期は、希望的情報だけ認めてしまうが、悪い知らせこそがデータだと思うべきだろう。
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最後に。
保護者のみなさまは不満かも知れませんが、塾の現場では、子どもたちは一生懸命勉強してがんばってきたのです。つきつめると、今は、もうあれこれ考えるのをやめて、お子さんを評価し、信じ、毅然(きぜん)とした態度で受験に臨んでください!成功を祈ります!

編集部注
入試直前期の学習・判断・対策については志願校や塾の方針により異なります。登記時はアドバイスのひとつとして参考までにお読みください。

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