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ムーヴ編集部コーナー「チーム鶴亀」
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算数 at home

●受験算数は専門家に任せるしかないが、受験算数とは何かを知るべし

受験算数は、基本的には、専門家の指導に任せるしかない。でもですね、「お父さん教えて!」のときに「塾の先生に聞いてこいよ!」なんていうのも教育効果的にヨロシクない。さあ、どうしますか?

まずは、受験算数とは何ぞや?ということを理解することから始めましょう。
「ムーヴ」をお読みの皆さんの大半は、小学校の算数授業をよりどころに中学受験を目指しているわけではないでしょうから、「単元削減」なんていう話題はやめましょう。もう飽きましたし(笑)。もう何十年も昔から、中学受験算数というのは、小学校の算数とは違う特別な科目なのです。義務教育とか学問体系を超越した世界!何をいまさら!ですよね。そんなこというと、各方面のエライ先生方おこられるかも・・・。決して「受験戦争のための科目」ではなくて、ひとつの科目として楽しくてためになるものなのですよ。ということは付け足しておきます。

そんな特殊な「科目」である受験算数は、「算数道」のような世界。流派があります。流派によってトレーニング手法や解法にも違いがある。どの流派でもそれなりに強くなる。でも、統一性一貫性が大切。ご家庭のサポートでも流派(学習塾の教え方鍛え方)に合わせることが大切。学習塾とは違う解法を不用意に伝授せぬよう。

というわけで、「お父さん、教えて!」のときは、「うーん」って考え込まずに、まず、「じゃあ塾の教科書(ノート)見て一緒に復習してみようか」という姿勢がベストだと思いますよ。実は、へんに見栄を張らず「この問題難しいよなあ・・」と開き直る?方がいいですよ。お父さんのかたい頭も柔らかくなるのでは?(笑)


★参考?中学受験学習塾び算数指導 あえて流派大別?==================

*古典派 
「○○算」という呼称が多く面積図や線分図を用いた古典的解法を主とし、正統的に解法の理解を重んじる。授業は講義中心になる傾向が強く、講師の力量と受ける側の生徒の姿勢が問われる。

*肉体派
数字が違うだけの同種問題を複数繰り返すなど「身体で覚えさせる」手法。計算力こそ源とする流派もある。授業がトレーニング中心になることはメリットだが、そのメソッドがしっかりしている必要があり、講師より教材の質が問われる。

*技巧派
独自のカリキュラムやテキストで、「受験テクニック」を重視。特定の私立学校入試に特化したような塾に多い?ただし、一部、方程式を使ったり、特殊な公式による事務処理を重んじるなど極端な邪道がある。

(実際は、よいところをバランスよく取り入れているのがよい塾なのですけどね・・・。あくまで参考までに。)
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●子どもたちの視点になって問題に取り組むこと

小学生段階はまだ脳も成長段階。実は、小学生の子供たちにとって算数の世界がどのように映るのかと、目線を下げることが大切。たとえは悪いですが、「(飼っているチワワ犬の)パトラッシュは我が家の庭をどのように見ているんだろうか?」ということと同じ。ちなみに、犬は実は近視。でも動くものを見分ける力に優れる。色はほとんど区別ができない(紫、青、黄色はわかるという説あり)。ハナシがそれました。すみません。犬ほどは違わないにせよ、大人と子どもは世界や数の認識力が違うということは意識しましょう、ということです。

「認知心理学」という分野の、けっこう難しいお話しで、上手に説明できないのですが・・・。イメージを持っていただくために幼稚園児を例にしましょう。幼稚園にもなると、「イチローくんはみかんを5コ持っています。ばんごはんに2コ食べました。いくつ残っているでしょう?」では、カンタンに「3コ」わかります。お父さんでも教えられますね。(失礼!)でも、「イチローくんはみかんを5コ持っています。ヒデキくんは2コのみかんを持っています。イチローくんとヒデキくんのみかん個数の違いは何コでしょう」となるとちょっと難しいのですよ。幼稚園児には。

両方とも計算式は、5-2=3ですよね。でも、数量の時間的な変化、つまり「残」「減」は認知が容易でも、時間軸がなく二つの数量を比べるという「差」の認識は、レベルが違うらしい。同じ引き算の問題でも、認知という段階で差があるのです。
そういうことは発達段階ではたくさんある。小学校高学年を犬や幼稚園児扱いにすべきではないのですが、「なんでわかんないんだよお!」となる前に、まずはお子さんの目線にたつこと。お父さんお母さんはいつも絶対的な味方でありよき理解者でなくてはいけないからです。

●日常生活での「割合と比」

ハナシを続けるとですね。発達心理学では、9歳から10歳の段階を大きな転機と考えているのですね。特に成長の早い女の子が、急に大人っぽいことを言い始めるのがこの時期。世界の認識も変わり(広がり)ます。そこに、分数が登場し、割合、比と進みます。教育過程もちゃんと発達プロセスと連動するよう考えられているのですよ。たぶん・・・。割合と比というのは、自然数的な絶対数値ではなく、相対的な数値です。実は小学生にとっては認知が難しい。「大人」の認識力が求められる。

というわけで、受験算数で、もっとも重要な存在なのが「割合と比」の概念なのです。私は「ここが最大のドラマであり壁なので覚悟せよ!」と生徒の姿勢を正していました。また、小5あたりで単元に突入するとき、保護者会などで「この1ヶ月で急に算数につまずく可能性がある。ご家庭でも注意してください。」とお母様方を脅して?いました。割合と比は、小学生にとって画期的革命的な概念。単に量的に難しくなったではないのですよ。それを意識しないといけない。なんとなく導入してはならないのです。ご家庭で受験算数の体系を理解するうえで、「割合と比」の壁だけは知っておいたほうがよいと思います。

心理学的な「認知」とかそういうレベルではなく、身近な観点の実例でお話ししましょう。割合と比は日常的な思考と異なるから難題なんだ、という観点。
割合とか比の観点って、実は大人でもあまりないのですね。ものの数量を比較するときも、一般的には「差」に注目します。お父さんの身長が175㎝で、お子さんの身長が150㎝として、誰が、7:6だと考えますか?あくまで、25㎝差ですよね。文化風習として?比や割合は遠くにある。
そこで、問題集の難題は塾に任せておいて、ご家庭では、ちょっとした会話の中で、日常から遠いものに慣れる発想や物の見方のトレーニングこそ重視すべきだと思うのです。日常の思考と算数の思考を近づけるために。

たとえば、「割合」について。実はですね、日本語にも問題があって、「なんとかカメラ」のチラシでも、「2割引!」ですよね。「引く」という発想なのですよ。「定価の8割で売ってます!」とはあまりいわない。これがちょっと弊害になっている。割合問題における数量の増減って、実は、掛け算の発想で見なくてはならない。「何倍か?」ということですね。「2割引」ではなくて、「×4/5」という見かたが有効なのですね。たとえばですよ、お父さんのお小遣いが40000円から5000円増えたとしますね。ここで「9/8倍」という見方をするということなのです。

いちばん簡単な「倍」のお話しをしましたが、「比」「度」「率」という考え方も、日常的ではないので、ご家庭の身近な題材で慣れておきたいですね。

●算数での「問題読解力」とは?

特に文章題で、問題のストーリーが理解できないという子も多いですね。
そもそも、割合や比に限らず、算数の問題って非日常なのです。イメージしにくい。たとえば、10%の食塩水と15%の食塩水を混ぜて、12%の食塩水を作りました、なんてことを経験したことがありますか?「セイジ君は分速70mで学校に向かいました」なんて、分速を意識して、さらに正確に固定して歩く人間がどこにいるのでしょうか!「遅刻しそうになったので、途中から分速80mで歩きました。そうしたら、ちょうど始業時間に学校に着きました。」なんて、もう人間業ではありません!実際の入試問題はさらにシュールで複雑なものもあるので、ストーリーがイメージできないことが多く、なんだかワケわかんない!で終わる。

でも、大切なことは「現実味」にとりあえず深くツッこまないことです。もし、ご家庭でちょっとしたサポートをするのであれば「算数要素の抽出」にこだわってください。分速70mのロボットのようなセイジくんの場合、学校に向かおうが、西武新宿線の東村山駅に向かおうが、算数的にはどうでもいいこと。距離・速度・時間のみですよね。文学的?要素を削いで算数要素を残す訓練。数字をチェックするだけでもいいですよ。

さらに、それをビジュアル(図)に表現することまでできればよいのですが、そこには指導法による違いがある場合があるので、塾の先生と連携を大切に。

●計算力を高めるために

模擬テストの結果チェックも専門家の領域ですが、ご家庭でもできることはありますよ。算数の誤答の場合、以下の4分類で考えて見ましょう。

(1)まったく手がつけられなかった(つまり、お手上げ)・(2)時間が足りなかった(時間があればできた)・(3)解法が違っていた・(4)計算が間違っていた。
このうち、(1)~(3)の対策は学習塾に頼るしかないかもしれないのですが、(4)の計算間違いはご家庭でも対処できます。

中学受験問題の多くは、解答のみを求めます。だから、いくら解法が正しくても、計算を間違えれば終わり。(近年は途中式加点式の問題を作成する私立学校もあり、その志、採点の尽力にはアタマが下がります。) 

ご家庭では、計算力をつけないと!とばかり、ドリルを買い込み、ド根性物量作戦に陥りがちなのです。これは効果はありますよ。でも、必ずしも量に比例するわけではない。とにかく走りこめ!といって、急に速球が投げられるわけではない。
ご家庭の役割は、とにかく整然とした計算習慣を教え込むことです。
男の子に多いのですが、0か6かわからないような数字で正確な計算ができるはずがないでしょう?計算用紙でも垂直水平に途中式を書きながら計算するような習慣作りが大切。これは、生活全般に関わるような「しつけ」の一貫なのでご家庭の役割ではないかと思うのです。強制力をもって矯正を。塾では速度的なトレーニングが主になるので、ご家庭では、時間をかけてもいいから、正解を出しなさい!の方がよいと思いますよ。

筆:鶴亀算太郎 初稿2004年 (本人改)

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