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ムーヴ編集部コーナー「チーム鶴亀」
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伸びる子ってこんな子

この記事は2005年度のムーブに記した記事です。今年度の記事内容と重複する内容も含みますが、なにとぞ、ご容赦ください。(鶴亀算太郎)

■伸びる子は未来を語る

10代でワシントンと北京で学び、20代で外務官僚、30代で衆議院議員、40代で外務大臣、50代で首相、なんて、ワイルドな野望で目に炎を燃やすのもよいが、私がいう未来はせいぜい中学生活レベルなので、大仰に考えないよう。

伸びる子は、(塾での)雑談の中で受験そのものよりも、来る中学生活の話題が多い。「サッカー部ではボランチをやる」などと具体的で希望的なものから、「怖い先生はいないかなぁ」とか不安系のものもある。そんなこと合格してから考えろ!といいたくもなるが、そういう子は、決して現実逃避ではなく、関門としての入試はしっかりと意識されていることが多い。「そのためには合格しないと」というのがあるから、少なくとも「しょうがないから、勉強しなくちゃ」という気持ちに容易に持ち込めるのだ。目的は合格することよりも、楽しい中学生活にある子は強いということ。前にもお話したが、展望が開けている場所は精神衛生上よく、学習にも余裕が出るはず。
(ちなみに、女子の方が将来ビジョンがしっかりしているので扱いやすいが、逆に安全確実を重視するあまり伸びが止まることもあるので注意は必要だ。)

⇒ご家庭では
中学高校生活についてさりげなく話題にすべし。直前期になると合格することがまるで人生の最終目標のように輝いて見えるようになる。それでは寂しすぎる人生。たかが中学入試なのだ。そこで、食卓では「中学に行ってもショートを守るつもりなの?」とか軽い会話をなげかけ、親子でその先の未来を語るべし。もちろん、未来のイメージを強引に与えてはならない。会話の中で引き出すことが肝要。親として何かを与えたいのであれば「導く」こと。
なお、受験する中学校の志望動機を自らの言葉で語ることができるか?それがなければ、必ず直前期にダウンするだろう。これは最低限必須。

■伸びる子は「なぜ?どうして?」が多い

幼い子は、「なぜなの?どうしてなの?」と、常に頭の上に「?????」が見える。ところが、小学校も高学年となると、世を「そういうものだ」と、ニヒルに?クールに?受け入れるようになり、悪い意味でオトナ化する。特に正答が求められる受験勉強では、ますます、単純暗記系に走る。これでは先がなく伸びは期待できない。

たとえば、「神奈川県の県庁所在地は横浜市」。誰が何と言おうと、世界が認める客観的な事実。相模原市でも藤沢市ではないのだ。ところが、「どうして横浜市なの?」とボソっと尋ねてくる子もいる。それは素晴らしいことだ。「だって、県庁があるからだろ?」なんて答えていてはもはや禅問答。「神奈川県で一番大きな町だからだよ」もイマイチ。Q「どうして横浜が一番大きいの?」⇒A「それは、大きな港があるからだよ」⇒Q「どうして、横浜に大きな港があるの?」・・・。こういう子どもは、はっきりいってウザい(笑)が、この展開で、どれだけ多くのことを学ぶことができるか。知識を得るだけでなく学びの方法も知ることができるのだ。伸びるということがどういうことかお分かりだろうか?伸びる子は自らの力で伸びていく方向や進むべき場所を切り拓いているのだ。

⇒ご家庭では
疑問意識の欠落の原因は「とにかく覚えればいいでしょう!」という我々オトナにある。ご家庭では、一問一答的な会話ではなく、「なぜ、どうして」をたずねる会話を心掛けるべし。勉強に関係ないことでもよい。どうして「とまれ」は赤なの?などという疑問でも十分。世界共通の?信号機の色には何かの必然性や法則性、また長い歴史があるはず。解答を知ることではなく、何よりも、すべての事象に「なぜだろう?」という疑問を持つ姿勢そのものが科学者への道なのだ!
どうして市役所は「市役所」なのに県庁は「県役所」って言わないの?などという「そういわれてみればそうだ」というネタに親子でばかばかしく悩んでみるのも愉快ではないだろうか。

■伸びる子は問題解決能力に長ける

人生には橋のない川もあれば急峻な峠もある。洪水も大雪もある。穏やかに滑らかに進まないのが世の常。そこで、問題に直面したとき、どう乗り切るのか、これはオトナにも要求される処世術。要領のよさというべきか?要領のよさというとヒビキはよくないが、人をだましたり、不正を働いたりしないのであれば、大切な生きる力なのだ。

小学生にだって日常生活には高い障壁がいっぱい。時には危機的な状況もある。「模擬テストの日曜日。はりきって最寄の駅に行ったら鉄道が事故で止まっている。さぁ、どうする!」「学校から帰って塾に行かなくてはいけない。ところがお母さんがお買い物で不在。鍵も忘れてしまって塾のカバンを持ち出すことができない。さぁ、どうする!」そういう状況下でも途方に暮れることなく、最善の解決策を自ら考える力、考えようとする意志を備える子は伸びる!
要領のよい子は、先天的な器用さもあるが、とにかく今できることをやる、というのが基本のようだ。塾の現場でも、「とにかく今は、目の前のこの問題をクリアするよ」という姿勢の子は、最終的に多くの問題を解決するのだ。

⇒ご家庭では
最低限の危険は回避してあげなくてはならないが「あなたはどうしたいの?」「あなたの思ったとおりにやればいいじゃない!」という厳しい接し方も忘れてはならぬ。また、要領のよさというのは日常生活の中すべてで会得するもの。(毎号での繰り返しウルサイかも知れないが)部屋の整理整頓、通学の準備などなど。なんでもやってあげる、が命取りとなることをお忘れなく。また、子どもはご両親のやり方をマネする。ご両親が要領が悪いタイプの場合は、まずそこから改めなくては。私は他人のこといえないのだが・・・。
ちなみに、要領のいい子というのは、私の印象では次男次女が多い気がする。兄姉は甘やかされて手取り足取り。ところが、2番目は、生まれたときから兄姉にいじめられ、裾の破けたおふるを着せられ・・・、厳しい環境で育てられることが多いからである。いかがだろうか?

■伸びる子は感動する心や観察力がある

塾の教室にて。「銀杏の葉が黄色くなってきれいだね」とか「飼っていた青虫くんがアゲハになったよ!」などと、無邪気に話しかけてくる子は学習意欲の根源が身についていると思う。伸びる子の典型だと思う。あたりまえの算数の問題であっても、「おお!こんな法則があるのか、アラブの人ってすごいね!」なんて、(実はギリシャ人かもしれないのだが・・・)ほほえましくノーテンキに感心する子も伸びる。「裏庭の汚い雑草のクセに光を浴びて酸素を吐き出すなんてすごいよなぁ・・・」なんてシミジミしている子は、将来、地球環境の危機を救うかもしれない。

また、「先生、先週とネクタイが同じだよ」などと指摘する子(女子に多い・・・。小学生でも女性はヤッカイだ・・・)。週に一度の算数授業の衣装も意識せねばならない塾講師もタイヘンだが、つまらん観察力といううなかれ。むろん、ダサい塾講師のネクタイの色を観察することには、直接的な学習効果は期待できないが、そういう志向を学習に生かすことができれば力強いのだ。

⇒感動する心は、周囲のオトナ(特に両親)の影響を受ける。お母さんもお父さんも感動する心がなければ、子どもも無感動に陥る。小学生であればまだ遅くない。親子で、自然や文学に心打たれるという経験を重ねるべし。難しいだけでつまらない?算数であっても、解けることに感激する心を忘れないで欲しい。


小学校6年生の皆さん!もちろん小5小4の皆さん!ちょっとした気の持ち方で、まだまだ伸びるのだ。志望校選定という観点では諦めも肝心だが、学びは中学に入っても、そして、生きている限り続く。人間は一生伸び続けなくてはいけないのだ!
とりあえず、身体を壊しては伸びるものも伸びない。寒くなってきたので暖かい毎日を送ることを願う!

平成17年10月 鶴亀  (18年10月一部改)

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■鶴亀のつぶやき:伸びる子はマイペース?

マイペースというと、「協調性がない」「ノンキ」など、どちらかというとネガティブに語られがち。
たしかに、伸びる子は自分のペースを知っている。自分の空間や時間を大切にする。たとえば、塾の授業後、「オレ、今日は眠いから、先に帰るよぉ!」と、友人を裏切ってスタスタと帰ってしまう子は精神的にもたくましく勉学にも強い。「(自分より成績のいい)○○くんは関係ないよ、すごいとは思うけどね。」とあまり競争心に燃えない子が、競争に勝ってしまうこともしばしば。ご家庭では、お子さんに相応しいペースとはなにか?窮屈な環境を押し付けていないか?
真にマイペースな子というのは、協調性を乱すようなマイペースではない。不用意に他人に干渉せず尊重する心さえ備えている。つまり他人のマイペースも許容してこそ自分のマイペースがあるという哲学。その先に集団の協調性がある。そういうレベルのマイペースに達すれば理想ではないだろうか。

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