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◆受験校選択は成長過程の重大な判断
「縁起でもない!」「一生懸命がんばっているのに!」とのご批判を覚悟の上、お話ししておきたいと思います。
「受験戦争」は死語になりましたが?あくまで入試は入試。ムーヴをお読みの皆さんの中に、「うちの子は志望校に余裕で受かりそう!2月が楽しみ!」なんてご家庭は少ないのでは?受験校に対して実力が及ばないという現実に悩んでいるほうが多いはずです。
憧れの第一志望校に果敢に突き進むことは決して誤った道ではありません。誤解しないでください。でも、無理を感じてきたとき、ご家庭ではどう対処するのか。勇敢にチャレンジするときはどのような心がまえをすべきなのか。それは、成長過程において、これまで経験がない重大な判断だと認識してください。あいまいに乗り切ろうとしないように!
自分の実力を一番冷静に知っているのがご本人。学習塾で日々競争にさらされているからです。私も、塾の現場で「お母さんが大丈夫、っていうけど、やっぱり無理そうだ・・・」「落ちたらどうしよう・・・」と泣き顔の子どもたちの姿を数多く見てきました。過度のプレッシャーとストレスで、直前期に心身を壊してしまうなど、致命的な弊害が発生したことも・・・。
気休めとしての「ダメでモトモト」ということをよく聞きます。でも、真に覚悟を決めているご家庭は少ない。厳しいことをお話しするようですが、実は「受かるかも」という期待心理が強いのでは?
(あくまで私の経験でお話しますが)実は、余裕で合格するつもりだった学校に失敗したときは、一時的なショックは免れないにせよ、意外に尾を引きません。それは、「運」とか「縁」の問題として自分の実力とは無関係な部分で昇華されるからです。「(併願校の)△△中学校で1番になろう」とかポジティブシンキングに持ち込むことも容易です。
ところが。むしろ、「ダメモト校」の方が強くダメージを受けることが多い。「やっぱりダメだった。力がなかった・・・。」と、自分の能力や人格に関わる部分に響いてしまう。防衛心理から「お母さんが受けろというから受けた!」という被害者意識が目覚めたりすることもありますし、後に大きなトラウマとなり、「安全志向」「あきらめ」の人生に陥ることも。結果として通うことになった併願校に誇りをもてないこともあり、とても不幸だと思います。少年も少女も12歳から危うい成長過程が待っていることをお忘れなく。
「学校選び」とは違う観点で「受験校選び」があるということをご理解ください。
◆無理を希望に変えるために
現実的には受験校を(あくまでランキング的な観点で)「下げる」こともあるでしょう。その場合の注意です。
とにかく受験生本人としっかりと話し合ってください。「妥協」「ランクダウン」というニュアンスに陥らないように。たとえ併願校であっても、本人にとっては積極的な選択であるべきです。ご家庭と塾の先生だけの密室決定などは論外です。
さて、ちょっとしたケーススタディです。
塾から戻ったお子さまご本人から、「ボク(ワタシ)は、○○中学校はチョット無理そうだから、もう受けない。」という発言があったときどうしますか?
まずはハナシをじっくり聞いてあげてください。多くは、かなり悩んだ結果の発言の場合ですから、むやみに否定したりしないように。
じっくり主張をヒアリングした後の対応は?
まずは、とりあえず励まし。「そんなことないわよ、がんばりなさい、きっと大丈夫よ。」という励ましの発言が欲しい。たとえは悪いですが、妻:「ワタシって、あんまり美人じゃないから・・・」といって、夫:「そうだよね、美人じゃないよね!外見はあきらめて体力で勝負すればいい!」なんて答えは期待されていませんよね。「そんなことないよ、十分に魅力的だよ。」という答えが欲しい。それと同じです。(とりあえずはウソ?でもよいと思います。)
次に庇護の確認。「たとえ○○中学校がダメでも、誰もあなたのこと非難したりしないから。」ということ。これは実際にあえて口に出さなくても日ごろの態度で示すのが基本ですが・・・。
もちろん、それだけでは、現実的な対応とはいえません。以上は、前向きな話し合いをするための前提にすぎないのです。ここからが本番です。
具体的なアドバイス入ります。
もし、お父さんお母さんも第一志望の○○中学校は無理かな?と感じているのであれば、「がんばって、1日は○○中学校受けるとしても2日★★中学校受けてみる?あなたに合っていると思うの。★★中学校は感じのいい先生が多いし、サッカーもできるし、楽しい6年間になるわよ。」などなど。日ごろの学校研究で備えることも大切ですね。瞬発力と正確な知識が求められるからです。お子さんと一緒にウーンどうしよう・・・と悩まないように!ただし、このアドバイス段階でいいかげんなことをいわないこと!お母さんお父さんが「ホントウに気に入っている」ということが要。それでお子さんも安心するのです。
注意!客観的判断から第一志望の○○中学校が無理ではないこともあります。その場で、結論を出してしまわぬこと。なんとなく保留にして様子を見るというワザも忘れずに。安心してズルズルと学習意欲が下がってしまう危険性も忘れずに。
ポイントは、さっぱりと話しをすることだと思います。過保護で甘いニュアンスにならないように。お父さんお母さんの力量の見せどころです!
なお、ただの怠け者で、「ウジウジいわずに夜を徹して勉強しなさい!」「★★中学なら自分で学費稼いで通いなさいよ!」なんて超ハード!な発言でであっさり解決こともあります(笑)。お子さんの性格やそれまでの育て方によりますので、適切にご判断を!
お母さんの方が「ミエ」が強く、「ランクダウン」でションボリしがち。あくまでお子さんの視点で考えてあげてください。「小5から塾に行っておけばよかったねぇ」などと、後悔の発言はゼッタイにNG。繰り返しますが、受験生本人の問題意識は「勉強不足」ではなく、自分の「能力不足」にあります。つまり、「僕は、一生懸命やったつもりなのにダメだった・・・」なのです。
◆無理を承知で挑戦するという志
繰り返し誤解のないようにお話しますが、あっさりと諦めなさい、といいたいのではないです。真にここぞと決めた学校を受ける。やっぱり、これが基本です。そこで―――。
中学入試の問題は学校によって個性があります。必ずしも毎週日曜日の模擬試験の実力がそのまま本番の結果に反映するとはかぎりません。漫然としたチカラではなく、その学校に受かるチカラ、つまり「傾向と対策」への取り組みが道を広げることがあります。また、一部のTOP校を除けば、各校、複数回の入試があります。その組み合わせで道が開くことができないか「作戦」を練りましょう。(※1)
ただし、「傾向と対策」に重点をおくということは「偏った学習」という側面も持つので注意が必要です。併願校も似た傾向の学校を選ぶのが理想ですね。また、「○○中学校は複数回出願すると有利」なんて情報の多くは真偽が定かではありません。ウワサに翻弄されない正確な情報を入手することを怠らないように。どちらも、必ず信頼できるプロ(多くは塾の先生)のアドバイスに従ってください。
傾向と対策にせよ、出願の形態にせよ、塾の先生からのアドバイスも頼りになりますが、個別にその学校に相談することをお勧めします。「実は、力がちょっと足りないが、ぜったいにこの学校に入りたい!」とぶつけていただいてもよいのです。(それで入学そのものが有利になったりすることを期待するなど、あらぬ誤解のなきよう願います。)学校の先生方も、入試に向けての学習方法や出願方法など親身にアドバイスしていただけることが多いのです。(※2)
編集部注:
※1「傾向と対策」の扱いは各塾の方針によりますので、よくご相談ください。
※2個別相談時は受験生としての最低限のマナーは厳守してください。また、個別相談を受け付けない学校もあります。無理強いのないようにお願いします。
どんなときでも前向きに。夢と希望を与えてあげることを忘れないでください。私からの願いです。
ムーヴの賢明な読者の皆さまは、ご理解いただいているとは思いますが、「入試偏差値が低い」学校が劣った学校ではないのです。むしろ、等身大の学校で、すくすくと伸びるほうが期待できることも!ムーヴに掲載されているたくさんの学校からのあたたかいメッセージを聞き逃すことのないよう!
【ワンポイント:「ダメなら公立」は避けるべき】
あくまで私個人の主張として付け加えます。
塾の現場にいたころ、頻繁に経験した「ダメなら公立に行かせます」。ご家庭の方針にもよりますが、そもそも私立の教育に魅力を感じ受験勉強を始めたのではないですか?第一志望校だけが私立学校にあらず。公立も自治体や学校によって優れた学校もあることは承知していますが、ここで安易に考えないようにしてください。
ワタシが言うまでもありませんが「中学入試は勉強したなら受ける」「受けるなら受かる」が基本だと思います。また、「高校受験で再挑戦する」もあるのですが、志望校が3年後に高校募集をするとは限らないですよ。
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編集部注:この文章は首都圏の進学塾で実際に数多くの生徒の受験や学習指導を経験し、さらにその塾で進路指導の中心的な役割を担っていた先生が責任を持って書いたものですが内容に主観を含みますのでご了承ください。
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