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多くの女子校の場合。まだ女性に参政権もなかった時代の建学精神がそのまま、問題なく使えてしまう。例示はしないが、かな~り古風な校訓でも堂々とパンフレットの表紙を飾っている。戦前から続く、これまた古風な教育プログラムが生きている学校もある。今も女性のおかれている立場の本質が20世紀初頭と変わらないのかもしれん。
ところが、男子校は戦前の建学理念を大声で宣言しにくい。スローガン自体は決して悪ではないのだが、女性差別だ!とか、国家主義だ!とか、スパルタ教育だ!などと誤解をうける。そこで、パンフレットのキャッチフレーズも共学校でも当てはまるのでは?という中性的なものも多い。でも、私立学校なのだから、男子校も声高に「男子教育」を叫んでもよいと思うのだがいかがだろうか。
そこで、少々遠慮がちな男子校の先生方にかわって、私が叫んでおこう。
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●進学校ではなく「男子校」
東大合格者数ランキングベスト30校なるものにズラリと名を連ねる男子校。受験生のお母さんの目も輝く。そこで、男子校は男子校であることよりも前に、名門進学校として羨望の的となっていることが多い。
しかしながら、まず、男子校というスペシャルなスタイルを選ぶことに対する意識をもっと強く持つべし!だと思う。
私の知識が確かなら、一都三県(東京・千葉・埼玉・神奈川)には公立も含め約900校の全日制高等学校がある。そのなかで、男子高校はいくつあるか?学校ガイドなどで数えてみよう。男子校が、いかに希少な存在かがご理解いただけるだろう。いわんや中学校。文京区立だろうが、小平市立だろうが、男子中学校なんて未来永劫?ありえない。男子だけの中学校はものすご~く特異なスタイルなのだ。
ご家庭の方針もあるだろう。学校フォーマットを超えた個々の学校の魅力もあるだろう。でも、私は、やはり「男子校(女子校)or共学校」の選択は学校選びの最初の分かれ道ではないかと考えている。この判断に、親子の明確な哲学が求められるだろう。さもなくば、入学式で「ああ、女の子がいなくてつまんないよぉ。ママにだまされたぁ。」なんてことも。ま、さすがに、そんなことはないと思うが、本人にも「僕は特別な学校で育つのだ」と、自覚と誇りと覚悟が求められると思う。
(ちなみに、最近の男の子は、「女子がいなくなってよかったぁ」とホッとする子が多いらしい・・・。)
●男子校のめざすことって何だ?
男子校の志は何か。各学校の理念を紹介したいところではあるが、私の方がとりまとめて?ずばり叫んでおこう。
気は優しくて力持ち。知恵と活力にあふれ、思慮に富み美しい心を持ち合わせる。そして、弱きを助け世界を救う。そんな、お母さんもホレボレするような、光輝く男性を育てる!それを実現するために、男子だけに専念した教育が最善なのだ!
これが男子校の主張だと思う。なんとも、わかりやすいではないか。力強いではないか。東大に合格者○名が目的、などと見誤ってはいかん。
ちなみに、「育児も家事も女性の仕事」とか、「お国のためにウンヌン~」などと主張している男子校はないので念のため。ただし、「男子たるもの、心身たくましくあるべし!」はあると思う。私としては極端なハナシ「女性を守る強い男性になりなさい」でいいではないかと思うのだが。(これって男女差別ではないですよね?)
●共学校と男子校は違うのか?
男子校には女子校ほど性差を意識した教育プログラムが少ない。また、女子校は外見でも「ここは女子校です!」とご近所に主張しているが、男子校は、「あ、この学校、そういえば男子しか見かけないよね。」程度。そこで、実は共学校と変わりないのでは?とも思われがち。
しかしながら--。
ずばり、お母さんが想像している以上に違う。もしかすると女子校と共学校以上に違うかもしれない。何が違うのか?何が男子校のメリットなのか?男子校の先生方におしかりをうけるかもしれないが、またまた、大胆に叫んでおこう。
男子校の本質はずばり「女子がいないこと」「男子しかいないこと」なのだ!校舎設計や教育プログラムに見いだすことではない!
その違いは、朝のホームルームから課外活動に至るまで、あらゆる学校生活のなかに見いだすことができる。保護者の皆さんもよく観察してほしい。(ちなみに「女子=息子を惑わす悪魔」ではない。それはあまりにも女子に失礼だ。でも、ホントのこというと、実はチョットは関係あるかな。)
●共学校の問題点とは?
そもそも、私はずーっと共学校で育ち、共学の恩恵をうけている。共学を全否定する見地ではない。でも、この男子校特集の機会に、あえて共学校の問題点を紹介しておこう。男子校と共学校との違いを見抜く参考としていただければと願う。
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問題が発生している共学校は、(偉そうではあるが)私は、授業を15分ほど見ればわかる。保護者の皆さまも見抜くことができるはず。
一見、和やかな共学校の教室内。実はコミュニケートが不自然だったり、授業の統一性や力強さが欠落していたり、ということが多いのだ。教師が男子生徒を向いて授業をしていないだろうか?男性教師が女子生徒に妙な気を遣っていないだろうか?男子だけが盛り上がり女子がしらけていないだろうか?
男子校だろうが共学だろうが授業進行もクラス運営も同じだよね、などという教師ははっきりいって認識が甘い!と思う。技術の高い先生であればあるほど、共学教育の難しさを知っている。我々、ヤボな塾の講師でも、男子だけ、女子だけ、男女混合では授業中の気の使いどころが違う。男子と女子では、教授手法が異なるのだ。「ほめる」「しかる」だってTPOが違う。特に成長期は心身の成長も世界観も違いも激しい。同時に対処するのは、実はたいへんな苦難。私の塾講師としての経験でも失敗は多い。
比して、男子校の授業はどうなの?これは、ぜひ、実際の学校でお確かめいただきたい。述べたような共学校の問題を念頭においていただければ、男子だけの教室のメリットを鮮やかに見いだすことができると思う。
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「共学の弊害は、男子教育がないこと」
これは、ある男子校の先生がおっしゃっていたことなので受け売りではある。お許しを。でも、私の共学育ちの経験上も「いわれてみればそうだ」と思う。
実は共学校であっても女子教育は存在する。やはり女子が社会的弱者であり、母になるという可能性も高い。男子を排した、異なる教育が必要。共学校であってもその部分は無視できない。そもそも、女子は家庭で(母親から)学び、学校とは関係なく自ら女性としてのあり方を会得していく。(ちなみに女子校における女子教育はさらにその上をいくものである。)
ところが、家庭でも男子教育がなく、学校でも対女子としての男子の存在は意識されず。結果、男子はデフォルト状態で放置され、なんとなく身体だけ大きくなってしまう。
そもそも男子だけを入学させる男子校は、教育の第一の目的が「男子教育」。この姿勢の違いは大きいと思う。
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以上は、教育という観点でのオハナシ。さらに、共学校では、生徒の社会にも問題点を見いだすことができる。
夫婦でも会社でも、日本人男性は女性に甘える傾向が強いようだ。なんだかんだいっても女性を見下げている。そして、寛大な日本人女性はそれを許容している。実は思春期を経過する中高時代に、その風潮が芽生えていると思う。小学校時代はバトルを繰り広げる男女も、高校生になると、なんとなく甘~い関係に変わる。
共学校にて。学校行事などでも、男子生徒がリーダーぶっているものの、結局、細やかに配慮して助けているのが女子。やがて男子諸君は「自分より微分積分が解ける女子なんてイヤだ!」なんて思いはじめ、やがて、「女性は勉強なんかできなくても家庭的なのがいいよね」などという、オヤジと化す。女子も男子の気を引きたいから、一歩身を引き、男子の世話を焼くようになる。
これが最近の共学校にありがちな男女の世界。つまりは、社会の縮図。「自然」といえばそれまでだが、教育上はどうなの?ということ。主に女子校が「共学の弊害」と主張する最大のポイント。これが男子校でも当てはまる。男子校ではメンドウな仕事を「これって女子の仕事だよね」なんておしつけるワケにもいかず、繊細な作業もやらなければならない。男子が女子を見下し甘えるような姿勢も生まれず、かわいい女子が応援してくれるからがんばる、な~んて甘い日常もない。
反面、男子校、女子校出身者は、一般的な男女の役割についての社会的な経験が希薄で男女のコミュニケートもヘタだともいわれる。これを問題ととらえるべきか?教育現場における難しい問題だとも思う。
私の個人的な意見。男子校では、先入観なしに、男女の役割をより高い位置から客観的に理解していくのではないか?男女差別意識を根本からなくすためには女子校男子校の方がよいのでは?
●結局、男子校の最大のメリットって何?
男子校の先生方は男の子の育ち方のスペシャリストである!
これが、特にお母さま方にとって男子校に期待できる最大のメリットだと思う。
お母さんにとって、中高時代の男の子は、奇怪で不気味な生物となる。小学生のころは、天使のボーイソプラノで「ママぁ」と甘えていても、ある日突然、悪魔が憑依し「ぅるせぇなぁ」などと吠えはじめる。お母さんもオロオロしてしまう。そんなとき、男子専門のスペシャリストたる男子校の先生方が頼もしい味方、積み上げられた男子教育の経験、鍛えられた技能。その恩恵に感謝するときがくるだろう。
たとえはよくないかもしれないが、子どもの病気は小児科に行く、目の病は眼科に行く。それは、専門性の高さが期待できるからでしょう?
困難であっても教員が研鑽を磨き男女同時に教育すべき、という共学校の志もすばらしいとは思う。でも、それよりも、男子だけに専念して深く広く、そして繊細に男子教育を極めた方がいいだろう!という男子校の選択に誤りはないと思うし、その志を高く評価すべきだと考えている。
もっと具体的な男子校の長所については、各学校の説明会でお聞きいただきたい。また、今号の特集記事が参考になれば幸いである。
以上鶴亀でした。 (元進学塾講師)
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