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ムーヴ編集部コーナー「チーム鶴亀」
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受験生のこころとからだ 受験生がくじけるとき

小学生はまだまだ幼い子ども。体力や精神力が備わっていません。受験勉強でくじけてしまわないよう、適切なサポートが必要です。
ご家庭ではどのようなことに注意すべきでしょうか?ムーブ編集部では前号に続き学習塾の先生に聞いてみました。
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保護者の役割は体調と精神面の管理

小学生は高学年でも大人とは違う。自己管理能力が備わってない。保護者の方の適切な管理なくして生きられない。鳥でいえば、まだ母鳥から巣にえさを運んでもらっている段階。

学習指導は塾の先生の役割ですが、ご家庭では心身の健康管理と保護が第一の使命だと肝に銘じてください。保護者の方は、スポーツでいえば、監督やコーチではなくトレーナーや主治医の役割なのです。お母さんが鬼コーチになっていることが多い。それでは、トレーナーの役割がいませんね。
子どもたちは、学校や塾では無理をすることが多い。家庭内のみ素顔を見せるのです。ゆえ、ご家庭でははちょっとした異常でも気づくことができるはずです。また、子どもたちが本当に苦しいときに助けを求めるのは学校の先生でも塾の先生でもありません。心身の健康管理は保護者の方のみが可能なことなのです。

ただし、過保護と保護は違うので注意。ハレモノ扱いで勉強以外のワガママを何でもきくような態度、手取り足取り身のまわりの世話を焼く生活、不用意にモノ・カネで釣るような習慣はできるかぎりやめましょう。自立と自律を促すような教育を忘れないように。生理整頓やお手伝いなどは受験生でもできます。「最後はお母さんが守ってあげるけど、自分でできることはちゃんとしなさい!」という、厳しさと優しさの両立が理想。
常に子どもの表情を観察すること。そして、困っているときには適切に助け出してあげること。そうして心身の健康が保たれるのです。


これは反則!保護者へのレッドカード

子どもたちは外の世界でも傷つき悩みますが、一番、ダメージが大きいのが親子間での「事件」。保護の最終ラインであるご両親からのちょっとした一言で、想像以上に傷つき、それが一生を壊すような悲劇に陥ることがあります。

▲NG 1 むやみに、他人と比べる発言をする親

小学校高学年は自我が目覚め、他人と自分を比較して自己評価するようになります。学力・運動能力・容姿・家庭環境に至るまで、友人、兄弟姉妹、あるいは「自分が理想とする像」と比べるのです。

入試合格を目的とした塾では、常に競争にさらされ、自分がどの位置にいるのか?ということを目の当たりにしながら生活しています。よほどの楽天家でなければ、劣等感を持つことが多いのです。そのうえ、家庭内でも比べられては、劣等感はつのるばかり。ご兄弟と比べる、ご近所のお友達と比べる、などは避けましょう。
なお、「ポジティブな比較で誉めることはよい」という意見もありますが、不用意に他人を見下すような態度を植え付ける危険性もありますので、あくまで「自信」「自尊」は絶対的なもので保ってあげることが大切だと思います。(一般的に親子関係が良好な子は、劣等感を健全に解決する能力を持っているといわれています。)

▲NG 2 中学受験は本人のためだということを忘れる親

「あなたが○○中に入ってくれないと、お母さんも恥ずかしい。」などという発言。これは想像以上に傷つきますよ。親の見栄で受験させるのではないですからね。「塾に高い月謝払っているんだから。」というのもやめておいたほうがいいですね。教育を選んだのは誰ですか?気の弱い従順な子は、それでもがんばりますが、反抗の元になって取り返しのつかないことになりますよ。
また、保護者の方がお子さん特定の志望校へ導くことは当然のことですが、本人が「知らない」「納得していない」ことのないよう。塾の現場でも「え~、おかあさんはそんなこと言ってるの?僕は○○中に行きたいのに・・・。」なんてこともあります。志望校は、受験生本人とよく話しながら決めていくことです。


知らず知らずプレッシャーを与えてしまっている。

子どもたちは、純粋に「○○中に入りたい」という動機もあるのですが、意外に「両親の期待に応えよう」という要素が大きいことを忘れずに。つまり、特に何もいわなくてもプレッシャーや不安は感じていると思ってください。それを少しでも軽減するために、あえて不安を煽るような発言は控えたほうがいいですね。
たとえば、「○○中に入れないと公立にいくことになるのよ!それでもいいの?」「勉強しないと、将来、困るのよ!」というような、否定条件文脈による脅迫?はやめましょう。「○○中に入ると、こんなに楽しい!」「勉強すると、こんなすばらしい人生が待っている!」という感じが正しいのでは?
また、受験は、親子関係内での作業に留めましょう。お兄ちゃんとか、おじいちゃんおばあちゃんとか、ご親族などを巻き込まないほうがよいと思います。一族挙げて受験戦争!の時代ではないですからね。プレッシャーを増幅させるだけですよ。


SOS信号を見逃すな!

子どもたちは、窮地に陥ったときには、SOS信号を発信するはずです。それを見逃さないこと。SOS信号にはいろいろなものがあるのですが、ここでは日常的なものを紹介しておきます。

▲SOS 時間にルーズになる

学校に行く時間、帰宅する時間、塾に向かう時間など、特に家の出入りに関する時間が要注意です。最初は、影響がない程度の軽微な遅れから始まるので、その段階で適切なケアをしましょう。特に管理の死角となるのが通塾。家はいつもどおり出たけど塾には遅れている、という事態は気づきにくいので注意。塾の先生との連携体制を密に。(塾が家庭に連絡しないような微妙な遅れから始まり、徐々にエスカレートします。)

▲SOS 志望校が変わる・公立に行きたがる

それまで目指していた志望校から一転して、違う学校を希望し始める。学校のレベルが上がっていたり、積極的な理由があればよいのですが、これがSOS信号の場合が多い。また、中学受験そのものを嫌がる場合はかなり危険だと考えてください。
決して頭ごなしに否定しないこと。まずは「主張」をよく聞いてあげることから始めてください。初期症状では、それは本心ではないことが多く自信をなくしているということです。

▲SOS?軽症?「頻繁冷蔵庫現象」

受験生が頻繁に台所に現れて冷蔵庫を開ける現象。麦茶を飲んだりすることが目的ですが、何もとらずに閉めることある?これは勉強部屋からの軽度な逃避です。「休憩の大義名分」ですね。類似現象として、妙に親切に家族にお茶を入れたりすることもあります。それほど悪いことではないのですが、ご両親とコミュニケートしたい(=甘えたい)という気持ちを含みますので、軽く問いかけてあげるといいですね。


ここまでくればレッドゾーン!

子どもも大人もストレスがひどくなると、生理的な症状にあらわれます。子どもは大人と違い、自分でヘンだな?と感じることがないまま症状が進行するので要注意。以下のような症状があれば、早急に信頼できる専門家(とりあえずは小児科・内科)に相談してください!睡眠と食生活に異常が発生することが多いようです。
(大病院ではなく、気軽に相談できる近所のお医者様がいるといいですね。)

▲睡眠障害
 
休みの日に死んだように一日中眠っている、夜眠れない、早朝(夜中)に目覚めてしまう、など。特に深夜早朝のことは保護者の方が気づかないことも多いので、体調が悪そうなときは、睡眠の様子を、よく観察してください。

▲食の障害・消化器系の異常

食欲がない、すぐお腹を壊すなど、ストレスは胃腸系に及びやすい。特に、全く食べない、異常に食べつづける、食べたものをもどしてしまう、などはかなりの重症です!単なる疲れだと思わないように。

▲感情や表情が不自然

黙っていてボーッとしている、ちょっとしたことで泣く、ヒステリックに怒る、落ち着きがない、など、感情や表情に、これまでとは違う不自然さを感じる場合は要注意。気分や性格の問題で片付けないよう。

▲他の生理障害

息苦しさを主張することがあります。「この部屋は酸素が少ない」とまでいう子もいます。これはかなり危険。また、頻繁な乗り物酔いや、冷房の部屋なのに不自然に汗をかいているのも危険の兆候です。

回答 元学習塾講師

※あくまで現場での指導経験を元に回答していただいたものです。ムーブ編集部員の知識として違和感のある内容はありませんが、必ずしも専門的な説などと一致しているとは限りませんのでご了承ください。

(ムーヴ2004年度掲載記事より改)

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